白クマ
日医白クマ通信 No.814
2007年12月7日(金)


定例記者会見
「診療所の夜間開業について」

 中医協や社会保障審議会医療保険部会・医療部会で、診療所の夜間開業を評価することが検討されている。これに対して、中川俊男常任理事は、12月5日に記者会見を行い、改めて診療所の夜間開業に対する日医の考えを説明した。

 診療所の夜間診療を、初・再診料を見直すことで評価するとの考えについて、中川常任理事は診療所の初・再診料と夜間診療の評価は別の問題であると反論。また、厚生労働省が、夜間診療上位県(愛知県・京都府・大阪府)、下位県(岩手県・山口県・熊本県)別に分析を行っていることについても、若いサラリーマンや自営業者が多い愛知県・京都府・大阪府で夜間診療が多いのは需給のバランスからも当然のことであると指摘。開業時間は地域差が大きく、また、各県ごとに医師数が違うため、高齢者の多い地域で昼間休診をして、夜間診療をするようなことにでもなれば、患者の受診が阻害されかねないとし、安易な評価方法の組み換えには反対するとした。

 また、11月30日の中医協診療報酬基本問題小委員会で、「診療所の18時以降の夜間診療を手厚く評価する」との提案があったことについても、非常に唐突な提案だと批判。まずは、時間外の在り方(定義)について、十分議論すべきと述べた。さらに、仮に初・再診料の引き下げなしに、夜間診療のみ手厚く評価する場合でも、「算定できる時間帯は地域によって実情がまったくことなること」「夜間診療を行っている場合の一日当たりの診療時間」等についても考慮すべきと述べた。

 一方、勤務医師の負担軽減策の一環として、診療所の夜間診療を評価しようとの考え方については、勤務医師の過重労働を軽減することが最優先課題であるとしつつも、勤務医師の疲弊の要因はむしろ、日勤帯の診療にあると指摘。診療所の夜間開業が勤務医師を救うという保証はないと述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

◇定例記者会見資料はこちらから
 ⇒ http://www.med.or.jp/teireikaiken/


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.