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緊急記者会見 「中医協における公益側の裁定受け入れは苦渋の選択」―竹嶋副会長 |
平成20年度の診療報酬改定に向けた議論のなかで、焦点となっていた病院勤務医対策に当てるための財源問題について、1月30日に開催された中医協総会では、診療・支払両側の意見がまとまらず、公益側の裁定がなされ、診療・支払双方がこれを了承したことで、一定の方向性が決まった。これを受けて、日医では、同日、竹嶋康弘副会長、鈴木満・中川俊男両常任理事出席のもと、緊急記者会見を開催し、公益側の裁定に対する日医の見解を明らかにした。
当日の中医協総会では、公益側から、病院勤務医対策に当てるための財源としては、診療側が強く反対していた診療所の再診料の引き下げは行わず、後期高齢者の外来管理加算の病診間の統一、経過措置を設けてデジタル映像化処理加算の廃止等を行うことによって賄うとする案が提示され、双方がこれを了承することになった。
記者会見した竹嶋副会長は、今回の提案を了承したことについて、(1)去る25日の緊急総会において、診療側として公益委員の決定を尊重すると明言していたこと、(2) 今回の医科プラス0.42%の改定で捻出された財源で優先的に手を打つべきことは、産科・小児科・病院勤務医対策であると考えていたこと―などをその理由に挙げ、診療所への影響を考えれば、まさに苦渋の選択であったと説明。「今回の措置では、病院勤務医が抱えるすべての問題を解決することはできないかも知れないが、その対策の一助にはなると思う」と述べた。その一方で、病院勤務医対策は、診療報酬だけで対応できるものではないとの考えも示した。
また、当日の総会で、中医協の土田武史会長が、平成22年度の改定に向けて初診料、再診料など医師の基本的技術の評価のあり方に関する根本的な議論を行うと明言したことに言及。この議論を通じて、診療報酬の評価のあるべき姿が明らかになることに期待感を示すとともに、日医としても、そのための議論を徹底的に行っていく意向であると述べた。
鈴木常任理事は、診療所から捻出された財源に係る部分の今後の対応について、デジタル映像化処理加算の廃止による激変緩和のための効果的な措置のあり方や、分かりやすくかつ医療機関に過重な負担がかからないような外来管理加算の要件設定について、検討していく意向を表明。一方、検査判断料が引き下げられることに関しては、「医師の技術料の事実上の引き下げであり反対してきたが、これ以上の実施料の引き下げは、受託検査の回避等、地域医療に影響を及ぼしかねないこと、また病院勤務医対策の財源を捻出しなければならなかったことなどを勘案すれば、受け入れざるを得なかった」と説明。今後は特定の診療科別の調整に重点的に対応していくとした。
◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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