白クマ
日医白クマ通信 No.861
2008年2月14日(木)


緊急記者会見
「医療費抑制政策の方向転換を求める―竹嶋副会長」

緊急記者会見


 平成20年度診療報酬改定に関する答申が、2月13日に開催された中医協総会で取りまとめられたことを受けて、日医では、同日、竹嶋康弘副会長、鈴木満・中川俊男両常任理事出席のもと、厚生労働省で記者会見を行い、日医の見解を明らかにした。

 記者会見した竹嶋副会長は、「産科、小児科、救急医療における病院勤務医師に対する支援が、地域医療再生のための喫緊の課題であると考えていたことから、診療報酬本体の引き上げ分については、早い段階から、病院勤務医師の過重労働の緩和に充当してもらうことを主張するとともに、診療所に大きな影響を与えることを危惧しながらも、病院勤務医師のために検査判断料の引き下げ、軽微な処置の初再診料への包括化を了承することとした」と今回の改定における日医の基本的なスタンスを説明。そのうえで、今回の措置に関しては、「病院勤務医師が抱える問題の解決にはほど遠いが、その対策の一助になってくれればよいと考えている」と述べた。

 病院勤務医師対策の財源として、診療所の再診料の引き下げが提案されたことについては、「全科に影響を及ぼすものであり、その引き下げが実施されれば地域医療を支える医師たちの意欲が損なわれ、地域医療の崩壊にもつながりかねないことから、受け入れられるものではなく、強く反対した」と説明。「議論の結果、再診料の引き下げが回避されたことは評価している」とした。その一方で、外来管理加算の見直し、デジタル映像化処理加算の廃止が行われることになったことに関しては、「長年の医療費抑制政策によって、診療所の経営も厳しい状況にある。そのことを考えると、まさに苦渋の選択であった」とし、その選択への理解を求めた。

 今後の日医の対応については、第一に、医療費抑制政策の根本的な方向転換を求めていくとの考えを明示。そのためには、医師の増加も含めた医療提供体制の再構築、それを実現可能なものにするため、大局的な見地からの医療費の見直しが必要になるとし、社会保障費の国庫負担分年2200億円の機械的削減が、来年度以降も続けられることのないよう、引き続き、政府与党に対して働きかけを行っていくとした。

 また、病院、診療所の役割・機能分担について、国民に理解してもらうためにも、診療報酬のあるべき姿についての検討を始める必要があると指摘。日医としても、初診料、再診料など医師の基本的な技術料の評価に関する中医協での議論において、積極的に意見を述べていくとの考えを示した。

 さらに、日医でも、今回の改定が医療現場に与える影響について、その実態の把握・検証を早期に行うとの意向を明らかにし、「是正が必要との結果が得られた場合には、その見直しを求めていく」とした。

◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代)


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