日医白クマ通信 No.87 2005年3月28日(月) |
第112回 日本医師会定例代議員会開催 代表質問1〜3 |
■代表質問1:
「医療材料・薬品の値段の適正化について」
(関東甲信越ブロック)
宮崎秀樹副会長が回答。 平成12年に新しい審査システムが導入され、現在、中医協のなかの部会で 算定ルールを定め、さらに薬価算定組織、保険医療材料専門組織でそれぞれ価格 の設定を行い、中医協総会に諮り、最終決定がされるようになったが、価格設定 システム機能の適正化を通し、内外価格差の更なる是正が必要である。 本年3月9日の中医協総会において、新薬収載希望者アストラゼネカ株式 会社の高脂血症用剤内服薬「クレストール錠2.5、5、10mg」の類似薬効比較方 式(I)で算定した10mgの価格の内外格差が大きいことから、日医出席委員が 「承認できない」と異議を申し立て、薬価収載は保留となった。このような例は 初めてである。 日医総研においても、現在詳細な日米間の価格差を調査中で、6月には結 果が報告される予定である。 |
■代表質問2:
「社会保障・医療制度改革の基本構想および『医療のグランドデザイン』に
ついて」
(九州ブロック)
植松治雄会長が回答。 日医執行部の基本理念は、先の混合診療反対運動の時に明らかにしたよう に、社会保障の中核である国民皆保険制度を堅持することであり、そのために国 民と共に行動することである。国民医療推進協議会を立ち上げた意義もそこにあ り、今後更に拡大・充実させていきたい。 前執行部作成の「医療のグランドデザイン」の中核となっているのは、自 立投資、75歳以上の独立型高齢者医療保険制度の創設である。 自立投資については、日医が混合診療を許容する方向にあるとの誤解を与 えたとの見方もあり、反対の考えを明らかにしている。 高齢者医療保険制度については、現状から見て、医療費の負担割合(公 費:9割、自己負担:1割(当時案))が可能なものであるかなどの問題点がある。 |
■代表質問3:
「医療制度改革に対する日医の対応について」
(近畿ブロック)
植松会長が回答。
1.医療費の伸びの適正化
年金・医療・介護のトータルで議論していく必要があるが、予防という観
点から考えた時、取り組みやすく、重要な課題である糖尿病対策に昨年から取り
組んでいる。
また、在院日数の短縮については、短縮即医療費抑制になるとも考えられ
ず、医療の安全、質の向上が求められていることも忘れてはならない。
2.医療費の公正な分担方法
医療費を経済に合わせるのではなく、従来以上に、経済を医療費に合わせ
るべきであるとの主張をし、医療費財源の確保に努める。
3.高齢者医療の質の確保
高齢者における急性期、慢性期に適切な対応ができる診療報酬体系など、
現実的で目の前の大切な問題について、すでに検討している。
4.中長期的な展望について
現状は、各方面からの圧力に対して、これに対抗する理論を持ち、運動を
行っている。全体の政情を見ながら慎重に対応を取っていきたい。
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