白クマ
日医白クマ通信 No.888
2008年3月31日(月)


定例記者会見
「医事法関係検討委員会答申まとまる」

今村定臣常任理事


 今村定臣常任理事は、3月26日に開催された定例記者会見で、医事法関係検討委員会が取りまとめた答申「『医師・患者関係の法的再検討』について―国による規制と医師の自己規制の役割分担を中心に―」の内容等を説明した。

 同常任理事は、医療を取り巻く環境の変化によって、医師と患者の間の信頼関係が揺らぎつつあるなかで、一部の患者のなかには権利意識のみが肥大化するあまり、医療提供者に過大な要求をする人々も現れてきていると指摘。そのような現象が起こった原因の一つには、医療を取り巻く規制のアンバランスがあるのではないかと言われていることから、委員会では、「国家による規制のなかで、医師・患者関係を阻害しているものはないか」、あるいは「規制が不十分なところはないか」といった視点から、検討を行ってもらったと説明した。

 答申のなかでは、「医師法第19条に規定されている医師の応招義務」について、診療に応じるべき事由とその除外事由を明確化すべきとしているほか、将来的には地域のすべての医師が休日夜間診療に参加することによって、地域の医師全体で応招義務に対応することを提言。また、医療における医師や医療関係団体の自主的な規制と国家の規制を、どのように役割分担していくか、ハード・ロー(法的拘束力を伴う法令レベルによる規律)とソフト・ロー(法的拘束力をもたない規範)という視点から検討した結果についても触れている。

 また、医療を受ける際には患者の側にも、一定の責務があると指摘。この問題については、さらに検討を続けていくべきとしている。

◆問い合わせ先:日本医師会医事法制課 TEL:03-3946-2121(代)

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