白クマ
日医白クマ通信 No.893
2008年4月1日(火)


定例記者会見
日本医師会「食品安全に関する情報システム」モデル事業について

内田健夫常任理事


 内田健夫常任理事は、3月26日の記者会見で、平成18年10月から平成20年3月まで実施した、日本医師会「食品安全に関する情報システム」モデル事業の結果について、次のように解説した。

 このモデル事業では、15都道府県医師会から34,000人の会員に参加をいただき、情報提供件数は、33件であった。

 個々の情報は、真正性、緊急性、重要性という三つの判断基準により、それぞれを5段階に分けて判定した。

 治療の経過をみると、軽快が11件であったが、「国民生活安全対策委員会」で判定を行った結果、レベル4(注意喚起)及びレベル5(警告)の判定を受けた事例が11件あり、予後が良好だからといって軽視すべきでないとしている。

 食品の数については、一人で18製品を摂取しているなど、一人で多種の健康食品を摂取している場合が多く見られることから、健康食品の過剰摂取に対する国民への啓発活動が、今後の大きな課題になってくる。また、「健康食品」の摂取目的については、「健康の保持・増進」が圧倒的に多いが、「健康食品」は、成分の濃縮や医薬品成分を使用している場合が多く、問題があるとしている。

 同常任理事は、患者の情報提供を受けた場合、国民生活安全対策委員会で情報の判定や評価等を行ったうえで、医療機関と所属医師会にその結果を還元するとともに、モデル事業参加医師会で情報共有する仕組みになっていることを紹介した。また、本事業は、エビデンスの蓄積不足や法的な問題、多成分、多併用により原因成分の特定が難しいなど、これから取り組まなくてはならない大きな課題があると述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)

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