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医療政策会議報告書 「国民の医療と財源のあり方」を公表 |
同報告書は、(1)現状分析、(2)現状をもたらした原因の究明、(3)提言―の三章で構成され、長年にわたる社会保障への財政支出削減策により、日本の医療がおかれている厳しい環境において、いかに医療の質を保ち、公平かつ安心で安全な医療を国民に提供していくかを論点とし、そのための財源のあり方についても言及している。 (1)では、小泉政権時代の構造改革がさまざまな歪みをもたらし、とりわけ医療費抑制策によって医療が危機的な状況に追い込まれたことを詳述。見直しの気運の高まりを受け、医療提供者側の主張が反映されやすい政治的環境が生まれつつあると分析している。 (2)では、医療が疲弊した原因を、政治・経済・医師不足の観点から掘り下げているが、首相官邸主導の政策形成に経済財政諮問会議や規制改革会議が政策立案機関として影響力を持つようになり、アメリカ政府の要望と合わせ、規制緩和など社会保障に市場原理を導入し、ビジネスチャンスを広げる風潮が高まった結果、国民が望む社会像と政府の改革路線に大きな齟齬が生じたことを指摘。国民の意向を尊重し、社会保障を中心とした根本的な議論と、政治の場における国民自身の選択が必要だと訴えている。 また、租税負担率を抑え、医療給付費や社会保障給付費を抑制しても経済成長が実現しないことを各国の状況から解説。医療費抑制策が地域医療の基盤を弱体化させたとして、早急な財源の投入を求めている。 (3)では、医師養成について、医師のキャリア形成を十分に考慮した全体計画を立てたうえで着実な改革を進める必要があることを強調し、病院のあり方、医師確保対策、医学部教育のあり方、初期研修制度のあり方などに関する見解を詳述している。 医療費財源については、医療保険制度の充実を図るために租税資金の投入の拡大や事業主の保険料については応分の負担を求めるなどの提言をした。 ◆問い合わせ先:日本医師会情報企画課 TEL:03-3946-2121(代) |
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