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定例記者会見 「財政審の議論の方向性に対する日医の見解示す」―中川俊男常任理事 |
報道によると、西室会長は、「病院・診療所の格差の是正」「中医協の在り方の見直し」「保険免責制の導入」などについて、今後、平成21年度予算編成に向けた建議取りまとめに向けた議論を行っていくなかで検討していく意向を示したとされる。 同常任理事は、「病院・診療所の格差の是正」に関して、(1)病院は入院、診療所は外来という機能分担のもとで、診療所の再診料を高く評価してきたこと、(2)病院と一般診療所数の比率は概ね1対9だが、医療費は概ね7対3と逆転すること―などを改めて説明。単純に個々の点数を比較して病院、診療所の対立構造に持ち込み、格差是正を主張するのは問題だと批判するとともに、病院・診療所の格差の問題については中医協で継続的に検討することになっており、この結果を尊重すべきと主張した。 「中医協の在り方の見直し」については、中医協の委員構成は診療・支払・公益という3者構成になっており、一定の公平性が担保されていると強調。財政審こそが、他の会議に比べて経済界への偏りが見られ、医療、福祉の現場を担う委員がいないなど、委員構成に問題があると反論した。 「保険免責制の導入」に関しては、制度が導入されてしまえば、保険給付範囲を狭め、新たな民間保険の市場参入などによって、医療における格差を助長することになると批判。国の財政や経済界に、いったんはメリットをもたらすかも知れないが、将来は疾病の重篤化を招き、公的医療保険の崩壊につながる恐れがあると指摘した。また、仮に1,000円の保険免責制が導入された場合、外来での負担は一般では3割から4.1割に、老人では1割から2.2割に増加することを具体的な数値を示して説明。これでは保険料を支払うインセンティブが薄れてしまうことは明白であり、こう言った意味からも保険免責制の導入には反対であると主張した。 さらに、同常任理事は、今後の日医の対応について、「平成21年度予算編成に向けた建議」「骨太の方針2008」の取りまとめに向けて、政府与党に対して、社会保障費の伸びを毎年2,200億円削減する方針の解消や地域医療崩壊をストップさせる方策を求めていく意向を示した。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代) ◇定例記者会見資料はこちらから
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