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日本医学会 記者会見「日本医学会、第三次試案へ基本的な方向性に賛成へ」 |
見解は、同日に行われた日本医学会臨床部会運営委員会のなかで、各学会からの意見を基に検討を行い、取りまとめられたものである。 会見の冒頭、久史麿日本医学会長は、平成16年9月に発表した、「日本医学会加盟の主な19学会の共同声明『診療行為に関連した患者死亡の届出について〜中立的専門機関の創設に向けて〜」を取り上げ、中立的専門機関に届出を行う制度を可及的速やかに確立すべきであることをすでに提案していることを説明。 その後、厚生労働省での第三次試案取りまとめを受け、日本医学会全体として意見を集約する必要があると判断し、2008年4月に日本医学会加盟の105の学会に意見を求めたところ、回答した52学会中、賛成35であったとして、その結果を公表した。 また、条件付賛成、並びに反対意見を寄せた学会からは第三次試案への疑問として、(1)司法当局の対応、(2)届け出の範囲、(3)行政処分の実施方法、(4)調査委員会の設置場所、(5)とくに重大な過失の範囲、(6)なかんずく救急医療の現場における対応、(7)現在存在する院内調査委員会との関係―などの点において、明確にすべきとの指摘があったことを報告。また、反対意見を示した学会については、久会長が自ら確認したところ、「制度の設立という基本的な方向性については、いずれの学会においても賛成であり、制度成立の際には、協力を惜しまない」ことで意見が一致していると述べた。 会見に同席した、門田守人臨床部会運営委員会委員長も、「部分的なところで、各学会の意見の違いはあるとしても、医学会全体としては、基本的な方向性については賛成であることに変わりはない」と強調した。 その他、同会長は、第三次試案において評価できる第二次試案からの修正点として、(1)医療関連死の報告について、罰することを前提とした記述が緩和されたこと、(2)医師法第21条との関係がより明確になったこと、(3)医師個人への責任追及から、組織への責任追及へと改善されたこと―などを挙げ、試案作成への尽力を高く評価した。 また、第三者機関の運営については、「今回の見解でも、法律の施行後3〜5年以内にその内容を見直すことを強く要望しているが、今後も意見を述べ、協力していきたい」と積極的に関与していく姿勢を示した。 なお、日本医師会も、5月28日の定例記者会見において、同第三次試案に対して賛成の見解を示している。 ◆問い合わせ先:日本医学会 TEL:03-3946-2121(代) |
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