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定例記者会見 規制改革会議「中間とりまとめ」介護分野に対する日医の見解を説明 ―三上常任理事 |
同常任理事は、まず、中間とりまとめで、「サービスの担い手である事業者がサービスの質の改善に向けた創意工夫をし、利用者満足度の向上を図るためには、利用者からの評価が正しく対価に反映されるなど、介護報酬におけるインセンティブの強化が必要である」としていることについて、介護保険制度においては、平成18年4月から「『介護サービス情報の公表』制度」が始まり、毎年実施されているが、いまだに利用者・事業者双方から、当該制度への不信感が噴出していることを指摘。こういった制度が円滑に運用されないまま、さらに客観的に判断しにくい「利用者満足度」について、何を指標にするのかということは難しい問題であり、現実的ではないとの見解を示した。 また、「一例として、ケアマネジャー報酬について、利用者負担による上乗せを認めるなど、保険内サービスの利用料の自由化を検討すべきである」と明記されていることについては、ケアマネジャーを含む介護従事者すべての質の向上が担保される方策が先決であり、安易な上乗せは認められないと主張。そのうえで、「利用者負担の自由化が、満足出来る質の向上に結び付くかどうかは疑問であり、利用料については、保険内サービスである限り、定率もしくは定額負担とすべき」とし、自由化は考えられないと述べた。 さらに、「個人の価値観や多様なニーズに基づくサービスの選択の幅を広げるためにも、介護保険外の付加的なサービス(横出しサービス)の利用を一層促進すべきである」との文言については、利用者の視点に立てば、サービスを広げること自体は理解出来るとしながらも、保険外のサービスを広げる前に、まずは保険内のサービスの充実を図るべきではないかと主張。保険内サービスの質と量の一定の底上げを図った後で、地域性などを踏まえた横出しサービス等の付加的なサービスを検討すべきだとした。 そして、「近年の事業者(コムスン)による不正問題をきっかけに、再発防止に向け規制が強化される傾向にあるため注意を要する」との表現について、「介護保険制度は、社会保障分野における規制自由化の試金石として、制度施行当初から営利企業等を始めとするさまざまな事業主による事業参入を認めてきた。それによって急速にサービスが増加したことは認めるが、反面、コムスン問題など利用者が不利益を被る問題が発生している」とし、「過度の規制強化は問題であるが、社会保障の基本理念である国民の安全と安心を守るために、適切な制度運営に資する規制は必要である」との考えを示した。 ◆問い合わせ先:日本医師会介護保険課 TEL:03−3946−2121(代) ◇定例記者会見資料はこちらから
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