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中央社会保険医療協議会(7月16日) 「DPC」の在り方について議論開始 |
基本小委では、(1)診療報酬調査専門組織医療機関のコスト調査分科会からの報告、(2)DPCの在り方―について議論された。 (1)では、医療機関の部門別収支に関する調査研究として実施された、平成19年度の研究結果について、診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会(田中滋分科会長)から報告を受けた。 それによると、今回の調査研究から、診療科部門別収支の計算手法、計算結果の安定性が確認されたとのことであった。また、平成19年度までの調査研究の成果を用いて、平成20年度医療機関の部門別収支に関する調査案が示され、中医協としてこれを了承した。 (2)では、DPCの在り方に関する議論が開始された。 中川俊男常任理事は、昨年までの議論の経緯を踏まえて、日医の主張である「DPCは支払方式の選択肢の1つであり、急性期病院の要件ではないこと」「出来高払いを採用する急性期病院についても適切な評価すること」等を改めて確認。 また、同常任理事は、以前開催された総会で、指導時に明らかになった適切でない請求例の具体的な例を要求したのは、DPCという制度自体が不適切な事例を起こす作用を有していると考えてのことであったと説明し、改めて詳細な資料提出を要請した。 さらに、DPC分科会の調査結果で治癒率が減少傾向にあり再入院率が上がっていることについて改めて解釈を求めた。西岡清分科会長は、「治癒・軽快の定義は変化していない。入院したら治るまで入院したいのが日本の文化だったが、DPCにより、医療の形態が変わったのではないか」との見解を示した。 一方、藤原淳常任理事は、特定機能病院と一般病院を切り離すことの懸念を示すとともに、現在DPCから撤退するルールが無いので、自由に撤退できるようにすべきと指摘。 その他の委員からは、患者の満足度調査や国民への制度周知に関する質問が挙がった。 今後は、次の3点、a.これまでのDPCの評価 b.DPCの適用がふさわしい病院 c.DPC制度の運用に係る見直しについて(新たな機能評価係数の設定、調整係数の廃止)―を論点として検討される予定となる。 一方、同日行われた、総会では、「医療費動向等」「主な施設基準の届出状況等」について報告がなされた。平成19年度の医療費の動向では、前年度と比較し、約1兆円(対前年度比3.1%)増加し、33.4兆円となったことのほか、近年の受診延日数はマイナス0.9%と減少傾向であるが、一日当たり医療費は4.1%増加していることが示された。 施設基準の届出状況では、平成18年度改定で新設された項目の届出が順調に伸びているとの報告がなされた。例えば、在宅療養支援診療所の届出は9,434施設から10,477施設と増えた。この点について、藤原委員は実際に稼働しているのかが問題であると指摘した。 ◆問い合わせ先:日本医師会保険医療課 TEL:03-3942-2121(代) |
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