白クマ
日医白クマ通信 No.993
2008年9月1日(月)


第1回勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会
「勤務医の現状を把握するためアンケート調査を実施」

第1回勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会


 勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会の初会合が、8月27日、日医会館で開催された。

 冒頭、あいさつに立った唐澤人会長は、「近年、勤務医の過重労働が社会問題となっている。このような状況に加え、医師と患者との関係等に絡むストレスなどが相まって、うつ病の罹患、さらには自殺にまでつながるケースも見られる。勤務医の精神面を含めた健康状態の把握、健康回復へのサポートが重要である」として、勤務医の健康支援の具体的な施策の検討を要請した。

 本委員会は、1年間のプロジェクト委員会で、勤務医の心身の健康を幅広くサポートする対策を提示するため、(1)既存データによる勤務医と一般職種との健康状態の比較可能性の検討、(2)諸外国の具体的な取組みと、わが国における応用可能性の検証、(3)わが国独自の対策の検討と、実効性の高い具体策の提示(実施主体の検討を含む)―について取り組む。

 委員長には、保坂隆東海大医学部教授が指名され、唐澤会長より、諮問「勤務医の健康支援のための具体的方策」が手交された。

 議事では、諮問に関してフリーディスカッションが行われ、メンタルヘルスについては、うつ状態にあることを否認したり、受診をためらううちに症状を悪化させてしまうなど、医師であるが故の対応の難しさなどが指摘された。職場の環境については、過重労働を強いられる他の医師に気を遣って早く帰宅することに罪悪感を覚えたり、医師としての責任感の強さから長時間勤務になりやすいなど、業種としての特性が挙げられる一方、うつは必ずしも長時間勤務によってのみ引き起こされるものではなく、患者との関わりの中で受けた心の傷が引き金になるという意見も出された。

 今後は、勤務医の実態を把握するためにアンケート調査を行うこととなり、対象や手法、結果の取扱いなどについて話し合われた。また、よい取り組みを行っている病院の事例のインタビューや、厚生労働省との意見交換、全国医師会勤務医部会連絡協議会におけるシンポジウムの開催、英訳した調査結果をJMAJ(Japan Medical Association Journal)を通して公表することなどが提案され、まず、11月までにアンケート調査の内容を固めることとなった。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121(代)


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