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定例記者会見 「安心と希望の医療確保ビジョン」中間とりまとめ(案)の問題点を指摘 ―内田常任理事 |
同常任理事は、基本的問題の1点目として、厚生労働大臣の私的諮問機関であり、法令に基づく審議会でもない同検討会が、本来は社会保障審議会や中医協で検討すべきある医師養成数、医療提供体制、診療報酬等の事項にまで言及していることを問題視。その内容が今後の政策の方向性を左右するようなことになれば、厚生労働大臣と官僚のトップダウンによる一方的な政策実行をも可能とすることになり、断じて容認できないとの考えを示した。 2点目として、医師養成数を将来的に50%程度増加させるという数値を示しながらも、そのために必要な医療費財源については具体的に言及していないことを指摘。医師養成数については、今後の推移を見ながら、現場に及ぼす影響等も考慮して検討すべきであり、医療費財源が確保されないまま、医師数増加だけを議論することは、徒に混乱を増すだけであると強調した。 その上で同常任理事は、中間とりまとめ(案)の問題点を指摘し、それに対する日医の意見を示した。 「診療報酬」については、病院に限定したホスピタルフィー、ドクターフィーの議論を、定義を明確にしないままに進めることの危険性を挙げ、医療機関ごとの機能や役割を考慮して、全体として診療報酬のあり方を検討すべきであると述べた。 次に、「総合医・家庭医」については、学術専門団体として日医自ら、地域医療の向上という視点から「地域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する医師」の認定制度を提案していることにも触れ、「専門医としての総合医・家庭医」という記述が、国による総合医・家庭医の認定を視野に入れているのであれば、登録医制等、フリーアクセスの阻害につながるおそれがあり、容認できるものではないとした。 さらに、「医療関係職種の『スキルミックス』等」については、医師不足を理由にして、医療関係職種の業務範囲を野放図に拡大することは容認できないこと、「電子カルテによる情報共有」については、標準化やセキュリティ等の環境整備が伴わない拙速なIT化は避けるべきであること、「救急医療体制」については、医療提供体制全体を視野に入れて検討すべきであり、地域の実情を無視した国による政策の押し付けは認められないこと―等をそれぞれ主張、日医の考えに対する理解を求めた。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代) ◇定例記者会見資料はこちらから
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