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平成28年(2016年)1月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

新年に当たっての所信を表明

日医定例記者会見 平成27年12月24日・平成28年1月6日

 横倉義武会長は、今年初めての定例記者会見に臨み、新年に当たっての所感を述べた。
 同会長は冒頭、1916年11月10日に日医の前身である大日本医師会が設立されてから今年が100年となる節目の年であることに触れた上で、日医は「国民と共に歩む専門家集団」として、世界に冠たるわが国の国民皆保険を堅持し、国民の視点に立った多角的な活動によって、真に国民に求められる医療提供体制の実現に向けて、本年も執行部一丸となって対応していく考えを示した。
 また、昨年より各地域で地域医療構想の策定に向けた具体的な取り組みが始まり、今年は地域医療構想を策定する年でもあり、各地域における地域包括ケアシステムの構築をバックアップする形で診療報酬改定が行われるとした。
 更に、日医が推進してきた「かかりつけ医」を中心とした多職種連携による、各地域における「まちづくり」にも触れ、地域に根ざした「かかりつけ医」の存在が、高齢者の尊厳を保ち、住み慣れた地域で健康に過ごせる社会を実現するカギであると指摘。これを土台として、生活習慣の改善対策や各種健診などの生涯保健事業を体系化し、時代に即した改革を進めていかなくてはならないとの考えを示すとともに、地域住民から信頼される「かかりつけ医機能」のあるべき姿を評価し、その能力を維持・向上するために、日医でも本年4月から「かかりつけ医機能研修制度」を実施することを紹介した。
 その上で、「かかりつけ医」を中心にして、今後健康寿命を延伸するためには、高齢になっても生きがいを持って生き生きと働き続けることにより、一億総活躍社会を実現することが肝要であり、「高齢者の生きがいづくり」が今年のキーワードであるとした。
 昨年7月に、経済団体、保険者、自治体、医療関係団体などのリーダーが集まって発足した「日本健康会議」では、先進的な予防・健康づくりを全国に広げるために組織されたオールジャパンによる取り組みを進めていくとした。
 更に、世界に冠たるわが国の国民皆保険が崩壊する一番の要因は、「財源抑制による給付範囲の縮小」によってもたらされる可能性が高く、社会保障と経済は相互作用の関係にあり、必要な社会保障財源を確保するために経済成長は必要であると主張した。ただし、社会保障制度は、国民の生命と安全に直結することから、国民皆保険を揺るがす動きに対しては、厳しく対処していくとした。
 また、「専門医制度の構築」については、学問的な見地から専門医の認定評価の標準化を行うという日本専門医機構の役割、地域医療や医療政策を始めとする医療提供体制全般について責任を持つという日医の役割を再確認しつつ対応していくとした上で、地域医療と専門医制度を整合させるため、日医・日本専門医機構・各学会が緊密な連携を取りつつ、プログラム作成や地域医療に配慮した病院群の設定、キャリア形成支援等を行うに当たっては、それぞれの地域において都道府県・大学・医師会等の関係者が協議・連携するための協議の場の設置が不可欠であるとした。
 その上で同会長は、少子高齢化に伴う人口減少社会を見据えた医療政策は避けられず、その時代を生きていく子どもや孫の世代に負の遺産を背負わせないためにも、我々の世代で道筋を立てておかなければならないとし、日医として、本年も『日本医師会綱領』を旗印に、組織を強化し、理念を高く掲げ、国民の健康を守る主張をしていくとの抱負を明らかにした。

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