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平成28年(2016年)3月20日(日) / 日医ニュース

ミニマリスト

 多くの情報、物に溢れている現代。ネットの発達で瞬時にして得たい情報をパソコンから得ることができる。文献なども以前は大学の図書館に行かなければ検索できなかったが、自宅に居ながらにして検索・入手できるようになった。さまざまな手続きもネットを基本とした形態に変わってきている。
 便利さを実感するが、何らかの理由でネットが使えない状況になった時のダメージは少なくない。また、ネットなどを通じて必要でない(?)情報も入ってくる。知らず知らずのうちに必要な情報を取捨選択しているようでも、有害な多くの情報に暴露されているようにも感じる。
 一方、次々と必要な物、必要でない物(?)が大量生産・大量消費されて捨てられている。経済循環の視点からは好ましいことであるが、物が増え続けている。環境"3R"と言われるリデュース(reduce)、リユース(reuse)、リサイクル(recycle)が進んでいるが、廃棄物処分は複雑で容易ではない。
 そのような中、数年前から"ミニマリスト(minimalist)"という造語を聞くことがある。必要最小限(minimal)の物だけで暮らす一つのライフスタイルのことで、共感する人が増えているらしい。2004年にノーベル平和賞を受賞されたケニア人女性ワンガリ・マータイさんの考えに通じるものがある。マータイさんは、地球環境に優しく、持続可能な循環社会の構築を目指して「MOTTAINAI」キャンペーンを提唱した。
 医療においても本当に必要なもの、堅持しなければならないものに共感する人は多いはずである。

(榮)

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