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平成28年(2016年)4月21日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

平成28年熊本地震への被災者健康支援連絡協議会及び日医の対応について

 日本医師会は、4月14日の熊本県熊本地方を震源とする地震の発生を受け、翌日には災害対策本部を設置し、JMAT(ジェイマット:Japan Medical Association Team)の派遣を行っているが、4月20日の定例記者会見で一連の対応について報告した。

 横倉義武会長は、地震発生直後から被災地の情報収集を行うとともに、JMATの派遣準備に着手し、塩崎恭久厚生労働大臣から医療支援の協力要請があったことも踏まえて、JMATの派遣を正式に決定したことを説明。

 自身が代表を務める「被災者健康支援連絡協議会」を急きょ4月18日に開催し、厚労省、総務省など関係4省から現状報告を受けたとし、「行政及び各団体とも、東日本大震災の教訓から迅速な対応を行えるようになっている。今後も本協議会を通じ、各団体からの情報の集約と共有を図り、現地のデマンド(需要)を正確に汲み取りながら、行政と医療関係団体が連携して被災者の支援に当たっていく」との姿勢を示した。

 JMATの派遣については、当初、九州地方のみで対応する予定としていたが、16日に本震が発生したことから、派遣元を全国に拡大したことを報告。九州ブロックの8県医師会(沖縄含む)では、「九州医師会連合会災害時医療救護協定書」(平成26年7月)を締結しているため、九州各県医師会からの派遣を基本とした上で、46都道府県医師会にJMATの編成・派遣を要請したことを明らかにした。

 また、被災者健康支援連絡協議会加盟団体に改めて文書で協力要請を行った他、各都道府県医師会に対しても、JMAT編成に当たっては、県の歯科医師会、薬剤師会、大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(JRAT)など、同協議会の都道府県組織と連携を取るよう要請したとし、「現地では余震が続いているが、二次災害のないよう留意しつつ被災地への医療支援を継続していきたい」と強調した。

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 引き続き、石井正三常任理事が、JMATの活動状況について、20日12時現在、派遣中が37チーム、準備中が46チーム、終了が27チームであることを公表。熊本を北(熊本市・上益城郡)(以北)と南(宇土市、宇城市、下益城郡)(以南)に分け、九州北部(福岡県、佐賀県、長崎県、大分県)、中部、近畿、中国四国方面は北を、九州南部(宮崎県、鹿児島県、沖縄県)及び遠方の都道府県は南を、東京は全体を支援することを目安とし、熊本県医師会・九医連災害対策本部(長崎県)との調整の下、順次派遣要請に応じるよう依頼しているとした。

 その上で、JMATの概要について、避難所等における医療・健康管理活動を中心として主に災害急性期以降を担うことや、医師、看護職、事務職員などで構成されることなどを説明するとともに、なりすまし医師等への対策として、日医電子認証センターが発行している医師資格証の携帯を呼び掛けているとした。

 質疑では、横倉会長が東日本大震災との違いとして、避難所に高齢者が多いことを挙げ、高齢者の生活支援と健康管理が課題であることを指摘。トイレ環境などが劣悪であることなどが伝えられていることから、JMATには避難所の衛生面でのアドバイスが期待されるとし、「熊本市内は医療資源が豊富なところ。ライフラインが回復すれば、早い段階で現地の医療体制が整う」との見方を示した。

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