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平成30年(2018年)2月20日(火) / 日医ニュース

元号か西暦か、議論はあろうが......

 当院の院内文書や掲示物は、全て西暦に統一している。法令による様式指定文書は別として。これは、第一には医療安全のためである。例えば"15年"生まれでも、平成15年と2015年では大人と子ども程の違いがある。2015年生まれの患者に成人量の薬が処方されれば、ヒヤリハットでは済まされないことになる。第二は元号と西暦が混在していては、文書が見苦しいばかりでなく、病歴などの時間関係が分かりにくくなるためである。
 昭和の終わり頃、年号の記載様式が医学雑誌上で議論された時、「どちらでもよいことだ。世界には昭和も西暦も関係なく暮らしている人の方が多い」というご意見を拝読した。全く同感である。世界を見ればどちらでもよいことなので、年齢などの換算の手間がなく、医療安全にもつながる西暦記載がよいかと思っている。
 とは言っても、日本では行政の関係や国民感情もあり、全面的な西暦移行は困難であろう。小生も元号には西暦にはない深みを感じる。新聞では全国紙、地方紙とも、投稿や広告以外の記事はおおむね西暦に統一されつつあるようだ。ところが医療関係の刊行物では同一ページ上でも元号と西暦の混在が少なくない。全面的な統一は無理としても、文書であれネットであれ、一つの区切りの中ではどちらかに統一した方がスマートであろう。
 最後に、年号議論はどうあれ、天皇陛下にはゆったり過ごしていただきたい。もう十分務められたわけだから。

(骨コツ)

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