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平成30年(2018年)4月11日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

高齢者の医療の確保に関する法律第14条について

 横倉義武会長は、4月11日の一部新聞報道で、政府が6月にまとめる財政健全化計画の中に、社会保障費の抑制策として都道府県ごとの診療報酬の設定を盛り込む方向であることが報じられたことを受け、同日の定例記者会見で日医の所感を述べた。

 横倉会長は、まず、「高齢者の医療の確保に関する法律第14条」(以下、第14条)に規定される都道府県別の診療報酬の特例については、法文上は存在するものの具体的な運用規定がないことから、これまで実効性はなかったとした。その上で、日医は、2017年5月31日の定例記者会見で、「医療は社会全体で均一に維持され、誰もが等しく受益できる公共的なサービスであると同時に社会的共通資本である。したがって、医療は、地域によって分け隔てなく、全国一律の単価で提供すべきである」と述べたように、これまでも一貫して反対の姿勢を示してきたと説明した。

 また、都道府県ごとの診療報酬の設定は、県境における患者の動きに変化をもたらし、それに伴う医療従事者の移動によって地域における偏在が加速することで医療の質の低下をまねく恐れがあるとする一方で、診療報酬では、すでに人事院規則で定める地域に従い、1級地から7級地までの地域加算があり、入院基本料などに加算されているとした。

 更に、昨年度、社会保障審議会医療保険部会で議論された際には診療側、保険者側双方から反対意見が出されたことや、全国知事会長、全国市長会長代理、全国町村会長からも反対の意見が示されたことなどを紹介した。

 その上で、同会長は、3月29日に厚生労働省保険局医療介護連携政策課から発出された医療費適正化計画の実績評価の基本的な考え方を示す通知を踏まえ、「第14条の運用にあたっては、国と都道府県が医療の効率的な提供の目標を計画に定め、計画期間において保険者・医療関係者等の協力も得ながら目標の達成に向けて取り組みを行った上で、計画終了後に、目標の達成状況を評価した結果に基づき、なお目標達成のため必要があると認めるときに、第14条の規定の適用の必要性について検討していくことになる」とされていると指摘。

 「第3期医療費適正化計画は本年4月から始まったばかりであり、2023年度まで実施される。医療費適正化計画では特定健診の実施率、特定保健指導の実施率、たばこ対策、予防接種などの目標が盛り込まれており、第14条の適用については、これらの取り組みをすべて行っても計画が未達だったときに検討されるものである」と述べ、まずは2023年度までに都道府県行政がしっかりと住民の健康増進に取り組んで、目標を達成することが重要だとした。

 また、公立病院の病床数は年々減少傾向にあり、必要となる地方交付税の補助金も減少していくことが予想されるとして、「安易に都道府県ごとに診療報酬を設定するのではなく、これまで活用していた地方交付税の補助金を、他の財源に振り替えることなく、これまで通り社会保障財源として活用していくべきである」と主張。その一方で、地方の基礎的財政収支は黒字であることや、インセンティブの付与の方法として都道府県ごとの診療報酬の設定によって単価の上昇を期待する向きもあるが、昨今の国の財政状況を考えると短絡的であるとの見方を示した。

 更に同会長は、本年2月に静岡県と宮城県で日本健康会議の都道府県版が設けられたことに言及。「都道府県ごとに経済界、医療関係団体、保険者、自治体などとこのような健康会議を設置し、住民の健康寿命の延伸により、医療費の適正化を図っていく必要がある」と述べ、日医もこのような取り組みに協力し、国民の健康寿命の延伸と医療費の適正化の両立ができるよう努めていくとした。

問い合わせ先

日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

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