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平成30年(2018年)7月12日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

医師の働き方検討会議「医師の働き方改革に関する意見書」について

 松本吉郎常任理事は、7月11日の定例記者会見で、医師の働き方検討会議が取りまとめた「医師の働き方改革に関する意見書」の概要を説明した。

 本会議は、日医の「医師の働き方検討委員会」の答申(本年4月)を基に、医師の働き方改革について医療界の意見を集約し、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」等に提言することを目的に日医が主催したもので、各種医療関係団体や医療機関に属する構成員により、本年4月から集中的に検討を重ねてきた。

 意見書は、(1)はじめに~「医師の働き方検討会議」について、(2)医師と医療の特殊性、(3)医師の健康確保対策、(4)医師の自己研鑽、(5)医師の宿日直、(6)院外オンコール待機、(7)長時間労働是正のための仕組み、(8)医師における専門業務型裁量労働制―など15項目からなり、多岐にわたる論点について方向性を示している。

 同常任理事は、意見書では、医師の働き方を考える前提として、医師には自己研鑽や学びが職業に組み込まれていることや、地域事情、医療機関の機能等に応じた多種多様な働き方があり一律に決めることが難しいこと、診療報酬改定や医療計画の見直し等の影響を受けつつも地域医療の質と量を維持する命題があることなどの特殊性を挙げた上で、「医師の健康と地域医療の両立」という考え方を基本理念としてまとめたものであることを解説。

 医師の自己研鑽については、自己研鑽と労働が、臨床、教育、研究という3つの切り口でモザイク状に入り組んでいることから、まずは、「明らかな労働」と「純粋な自己研鑽」を明確化して、「労働と自己研鑽の二面性のある活動」について、研鑽を妨げず、健康にも配慮した制度を具体的に検討する必要があるとしている。

 宿日直に関しては、通常業務のない「許可を受けた宿日直」でも、「通常業務と同じ宿日直」でもない「中間的な働き方」が宿日直の約半分を占めているため、この中間業務については新たな制度を創設すべきだとして、試案を提示。厚労省のガイドラインを策定の上、労働が全拘束時間に占める割合に応じ、勤務時間としてカウントし割増賃金を支払うルールを決め、各医療機関で協定・届出を行うことなどを打ち出している。

 院外オンコール待機については、全て労働とみなすのではなく、病院に駆けつけて患者対応を行った場合に労働時間とするべきとの見方を示し、地域事情、診療科の特性、在宅医療の普及の状況などを踏まえ、待機に対する 手当支給は個別判断にゆだねるとしている。

 長時間労働是正のための仕組みでは、医師の時間外労働上限の一律の設定が困難であるとして、長時間労働の歯止めとして「医師の特別条項」を設け、特別条項で対応が困難な場合の「特別条項の『特例』」を設定することを提言している。

 医師における専門業務型裁量労働制に関しては、現在、教授・准教授・講師までが対象とされているが、助教にも適用できるような検討が不可欠だとしている。

 この他、医療勤務環境改善支援センター、地域医療支援センター等を中心とした「第三者機関」を、医事法制のなかに規定し、勤務環境の改善支援、医師確保、労働関連法の総合的な相談、指導などを行うことを提案している。

 松本常任理事は、本意見書を7月9日に厚労省で開催された「医師の働き方改革に関する検討会」に提出したことを報告。「現行制度を当然踏まえつつも、長時間労働の是正を進めることを前提として、医師の働き方を単に法令に合わせるのではなく、改革を進めた上で、医師という特殊な職種の働き方を十分に考慮してもらえるような観点からの、柔軟な議論を求めていきたい」と述べた。また、今後、会内の「医師の働き方検討委員会」での議論も再開し、検討を深めていく意向を示した。

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問い合わせ先

日本医師会健康医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)

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