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平成30年(2018年)11月5日(月) / 日医ニュース

日医提案の「母子健康手帳の開発と普及に関するWMA声明」を採択

日医提案の「母子健康手帳の開発と普及に関するWMA声明」を採択

日医提案の「母子健康手帳の開発と普及に関するWMA声明」を採択

 世界医師会(WMA)レイキャビク総会が、アイスランドのレイキャビクにおいて、10月3日から6日にかけて開催され、40医師会及び赤十字国際委員会等から約240名が参加した。
 日本からは、横倉義武会長(WMA会長)、WMA理事として松原謙二副会長、道永麻里常任理事、星北斗参与の他、畔柳達雄参与(WMA医の倫理委員会・社会医学委員会アドバイザー)、澤倫太郎日医総研研究部長の他、都道府県医師会、日医ジュニアドクターズネットワーク(JMA―JDN)より、総勢26名が参加した。
 横倉会長は、総会に先立ち、1日には役員会議に出席し、国連総会におけるNCDsに関するハイレベル会合において、WMA会長として演説を行ったこと(別記事参照)を報告した他、同日に開催されたJDNミーティングでは、各国のJDNメンバーと懇談を行った。
 2日には、アイスランド医師会のジョン・スネーデル元WMA会長、レイニュー・アリングリムソン会長と共に、アイスランドのグズニ・ヨハンネソン大統領と面談し、総会に合わせて2日から4日に開催されたWMA医の倫理会議の開会に際しては、WMA会長としてあいさつを行った。
 また、道永常任理事が、「遺伝学と医療に関する作業部会」「アドボカシーに関する作業部会」「医の国際倫理綱領に関する作業部会」に出席した。

引き続きUHCの推進に取り組む姿勢を示す―横倉会長

 グズニ大統領臨席の下、5日には総会式典が開催され、横倉会長が第68代WMA会長の退任あいさつを行った。
 その中では、1年間の活動を振り返り、さまざまな国の会議への出席、UHCフォーラム2017、WHOテドロス事務局長とのUHCの推進をテーマとした覚書の締結などに触れるとともに、日本の医療状況の推移から、UHCの達成には時間を要すると指摘。2019年にはG20が開催される日本において、H20(Health Profession)会合を開催予定であることを報告した。
 更に、今後も、レオニード・エイデルマンWMA新会長やオトマー・クロイバー事務総長と共にUHCの推進に取り組んでいく考えを示した。
 あいさつ終了後には、アーディス・ホヴェン議長より元WMA会長メダルが贈られた。
 なお、第69代WMA会長にはエイデルマンイスラエル医師会元会長が就任し、横倉会長は2019年10月までの1年間、WMA前会長を務めることになる。
 また、2019年から20年のWMA会長選挙では、ミゲル・ジョルジュブラジル医師会理事が選出された。
 議事では、日医から提案した「母子健康手帳の開発と普及に関するWMA声明」が採択された。
 その他、総会開催期間中、アジア大洋州医師会連合(CMAAO)加盟医師会参加者と意見交換を行った。
 総会における主な議事内容は以下のとおりである。

(1)医の倫理関係

採択文書
 「医学的妊娠中絶に関するWMA声明修正」
 「遠隔医療の倫理に関するWMA声明修正」
 「重大な刑事犯罪で起訴を免れた医師の免許交付に関するWMA声明修正」
 「バイオ医薬品に関するWMA声明修正」
 「死刑に医師が参加することを禁止するWMA決議」
作業部会設置
 日本が「生殖技術」に関する作業部会のメンバーとなった。

(2)社会医学関係

採択文書
 「医療ツーリズムに関するWMA声明」
 「医療における男女の平等に関するWMA声明」
 「プロフェッショナル・オートノミーと臨床上の独立性に関するWMAソウル宣言修正」
 「持続可能な開発に関するWMA声明」
 「鳥インフルエンザとパンデミック・インフルエンザに関するWMA声明」
 「核兵器に関するWMA声明修正」
 「環境悪化と化学物質の健全な管理に関するWMA声明修正」
 「母子健康手帳の開発と普及に関するWMA声明」
 松原副会長は、母子健康手帳の英語版を参考資料として配布した上で、日本発祥の母子健康手帳が母と子と家族の健康増進に大きく貢献してきたものであることを説明。各国の状況に応じた母子健康手帳の普及を自国の保健当局、医療機関へ働き掛けることを呼び掛け、採択された(9月13日、WHOは「母子の健康に関わる家庭用記録に関するガイドライン」を公表し、今後、世界の全ての国で活用していくことを推奨している)。
 「移民に関するWMA決議」
作業部会設置
 日本が「疑似科学、疑似療法、医療への侵害及びカルト団体」に関する作業部会のメンバーとなった。
WMA災害医療に関するネットワーク
 星参与より、9月のCMAAOマレーシア総会において、災害の多いCMAAO地域において災害医療に関する取り組みの検討を開始することに合意したことを報告。更に、CMAAOでの取り組みを基に、WMAへ示していく意向を説明した。

(3)財務企画関係

①今後の会議開催日程
 2019年:4月サンティアゴ理事会(チリ)、10月トビリシ理事会(ジョージア)
 2020年:4月ポルト理事会(ポルトガル)、10月コルドバ総会(スペイン)
 2021年:4月理事会(開催地未定)、10月ロンドン総会(イギリス)
 2022年:4月パリ理事会(フランス)、10月ベルリン総会(ドイツ)
 2023年:4月理事会(開催地未定)、10月キガリ総会(ルワンダ)
②加盟医師会
 総会開催中、カナダ医師会が脱退したことにより、113加盟医師会となった。
③WMA新地域「東地中海」に関するWMA定款細則改訂
 WMAの地域は、ヨーロッパ、アジア、大洋州、ラテンアメリカ及びカリブ海、アフリカ、北米、東地中海の7つとなった。

(4)学術集会(WMA医の倫理会議)

 WMA医の倫理会議との合同プログラムとして、学術集会が4日に開催された。
 「安楽死と医師の支援を受けてなされる自殺:終末期に関するWMA地域会議報告」セッションでは、昨年9月のCMAAO東京総会で議論された終末期に関するアジア各国の見解について、畔柳参与が報告を行った。

(5)その他

 レイキャビク滞在中に、北川靖彦在アイスランド日本国大使の招待による夕食会に参加し、懇談を行った。

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