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平成30年(2018年)11月5日(月) / 日医ニュース

次世代医療基盤法への対応などについて解説

次世代医療基盤法への対応などについて解説

次世代医療基盤法への対応などについて解説

 平成30年度都道府県医師会情報システム担当理事連絡協議会が10月10日、日医会館小講堂で開催された。
 石川広己常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつに立った横倉義武会長は、「日医IT化宣言2016」に基づき、日医が医療等分野専用のネットワーク構築等に積極的に取り組んでいることを強調した。
 また、今年5月に施行された「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(以下、次世代医療基盤法)」では、改正個人情報保護法施行によって要配慮個人情報となった医療情報の取得時、第三者提供時において原則必要となる本人同意を、本人が拒否しなければ同意したとみなして(オプトアウト)、複数の医療機関などから医療情報を収集し、匿名加工を行った上で、研究・開発などを行う第三者への提供が可能となったことに言及。「この事業を担うための一般財団法人を新たに立ち上げて認定申請を行う予定である」と述べ、今後も適切な方向に施策を進めていけるよう、活発な協議を求めた。
 議事では、「次世代医療基盤法への対応」について、藤本康二内閣官房内閣審議官健康・医療戦略室次長と石川常任理事が講演した。
 藤本次長は次世代医療基盤法について、①医療情報の管理や匿名化を適正かつ確実に行う事業者を認定する仕組みを設ける②本事業に参加する医療機関等は患者に書面で通知し、本人が拒否しない場合、医療情報を認定事業者に提供できる③認定事業者は匿名加工したデータを利活用者のニーズに応じて提供できる―などの全体像を説明した上で、「医療機関には全体としての研究開発を進める仕組みに参加する意欲を持って頂き、日本の医療を進めていくという国民の理解の下で本制度を育てて欲しい」と要望した。
 石川常任理事は、日医における次世代医療基盤法への対応として、日医及び日本医師会ORCA管理機構株式会社による個々人の「生涯保健情報統合基盤」の構築を説明。診療所のレセプトや電子カルテを中心に、医療・健診・介護・死亡・生活など幅広い情報を収集する予定であり、これらを運用する一般財団法人を日医と医療関連団体等で設立し、認定事業者を目指すとした。
 更に、「全国の個々の診療所から情報収集するには限界があるので、地域医療連携の普及を支援しつつ、地域単位で情報収集を進めている」と述べ、滋賀・熊本・沖縄各県医師会における情報収集の取り組みを紹介した。
 また、同常任理事は、「医療セプターの運営」について概説。情報通信、金融、航空、鉄道、電力などの重要インフラ事業者等の情報共有・分析機能等を担う組織であるセプターのうち、医療分野に関しては、現在、日医、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会など17機関から構成され、事務局は日医が担うこととなった(別記事参照)とし、「今後も医療関係団体並びに都道府県・郡市区等医師会と共に医療機関における情報セキュリティを推進していきたい」との姿勢を示した。
 続いて「医師資格証の普及」については、長島公之常任理事が報告。医師資格証は医療機関採用時の資格確認や、災害時等の緊急時の身分証、「JAL DOCTOR」登録制度の他、講習会受付やログイン認証、HPKI電子署名などITでの利用も可能であるが、発行は日医会員の6・7%、全医師数の3・8%にとどまっているとして、今後は保険医登録の申請手続き代替や海外での資格証明などを目指すとともに、IT利用に関する診療報酬上の評価等を求め、利用価値と活用の場面を増やしていくと強調した。
 また、長島常任理事は、地域医療介護総合確保基金におけるサーバー更新費について、既存のネットワーク機能の追加や拡充のための更新であれば対象となることを解説した。
 この他、事務局より、日医テレビ会議システムのライセンス拡張と、来年3月2、3の両日開催される予定の「平成30年度日本医師会医療情報システム協議会」について説明を行った。
 質疑応答では、各都道府県医師会から事前に寄せられた質問や会場からの質問に石川・長島両常任理事らが回答するとともに、羽鳥裕常任理事がAIに関する国の審議会の検討状況について報告した。
 なお、当日は、会場で57名が参加した他、29道府県医師会にテレビ会議システムで配信を行った。

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