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平成31年(2019年)4月19日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

世界医学教育連盟世界会議2019について

 羽鳥裕常任理事は4月17日の記者会見で、「21世紀における医学教育の質的保証」をテーマとして、4月7~10日に韓国のソウルで開催された世界医学教育連盟(World Federation of Medical Education:WFME)世界会議2019に、世界医師会前会長である横倉義武会長の代理で出席したことを踏まえ、その内容を報告した。

 同常任理事は、まず、WFMEについて、「世界各国の医学教育における全ての段階、例えば卒前医学教育、卒後医学教育、生涯教育などの質の改善に取り組む組織である」と説明するとともに、本会議では、(1)医学教育から医師のキャリアを通じての生涯教育、(2)認定プログラムにおける諸問題、(3)認定機関の取り組み、(4)卒後教育の質向上のための基準と認定、(5)将来における認定及び承認、(6)ECFMG(外国医学部卒業生のための教育委員会)プログラム―等をテーマとした全体会議や分科会、シンポジウムが行われたことを紹介。56カ国から約800名が参加し、日本からは本会の他、日本医学教育評価機構や日本医学教育学会などが出席したとした。

 会議の冒頭、デビッド・ゴードンWFME会長からは、1988年のWFMEエジンバラ世界会議で、社会の明確なニーズに応えて医学教育の性格を変えるための持続的・組織的なプログラムを推進することを定めた「医学教育に関するエジンバラ宣言」が採択され、1989年のWHO総会においても決議として採択の上承認されたこと、また、2003年のWFMEコペンハーゲン世界会議では「医学教育のためのWFME標準」が発信されたことに触れた上で、WFME世界会議がこの数十年の医学教育の発展における礎石となっているとして本会議の成果にも期待を寄せるあいさつがあったことを紹介した。

 また、講演では、ジャネット・グラントWFME特別顧問(元WHO医学教育共同研究センター副所長)が、異なる状況に即したアプローチを確実にするために、WFMEでは、より簡潔で、地域に関連した運用が可能な内容に医学教育の基準を見直していく方針を示していることを説明。テアンヌ・ウォルターズ オーストラリア医療協議会副代表の講演では、オーストラリアにおける専門職トレーニングへの参加者が多いことが特徴的だったとした。

 その上で羽鳥常任理事は、総合診療専門医の育成に対する諸外国と日本とのあり方の違いに言及し、「今回の会議で得た情報及び知識を、日医生涯教育制度でも生かしていけるよう、会内の生涯教育推進委員会などでも検討していきたい」と述べた。

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