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令和元年(2019年)8月5日(月) / 日医ニュース

3名のフェローが研究成果を発表

3名のフェローが研究成果を発表

3名のフェローが研究成果を発表

 2018~2019年度武見フェロー帰国報告会が7月16日、日医会館で開かれ、2018年8月から約11カ月間、ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院武見プログラムで研究に従事し、帰国した3名のフェローから研究成果の発表が行われた。
 冒頭あいさつした横倉義武会長は、武見プログラムについて、国際保健、医療政策、公衆衛生を学ぶユニークな学際的プログラムとして、ハーバード大学において高い評価を受けていること、日本製薬工業協会等の支援により、ハーバード大学と日医の間で今年、5年間の契約更新を行ったこと、近年では低所得国から参加するフェローも着実に増えていることなど、武見プログラムの現状を報告。今後も、武見フェローが世界規模で国際保健や住民の健康水準の向上に寄与すべく活動していけるよう、全力を挙げて支援していく意向を示した。

20190805g2.jpg 引き続き行われたフェローによる発表では、まず、杉浦至郎あいち小児保健医療総合センターアレルギー科医長が、名古屋市で行われている集団乳幼児健診(4カ月、18カ月)の結果を用いて行った「乳児期早期重症喘鳴(ぜんめい)」及び「食物アレルギー発症ハイリスク児」の予測に関する研究結果について説明した。
 「乳児期早期重症喘鳴」については、乳児期早期の喘鳴を伴う入院を防ぐ一つの方策として、禁煙や手指衛生の推奨が考えられるとするとともに、今後は実現可能性の高い予防法をデータに基づいて議論・評価していく考えを示した。
 また、「食物アレルギー発症ハイリスク児」に関しては今後、4カ月健診時のデータを用いて、18カ月健診時の食物アレルギーを予測する縦断的解析も行い、食物アレルギー発症予防に有効性が報告されている抗原早期摂取を推奨すべきハイリスク児を適切に同定していきたいとした。

 

20190805g3.jpg 高橋宗康岩手県高田病院第二内科長は、テロメア長を用いて、東日本大震災で家屋被害の有無により、子どもが長期にわたって受けたストレスを比較した結果を報告。「家屋被害有り群で、有意にテロメア長が短縮したこと」などを示した上で、「テロメア長の測定は、将来の震災トラウマによる精神疾患を防ぐために、震災後スクリーニングのバイオマーカーとして有用な可能性がある」と述べた。

 

20190805g4.jpg 石川雅俊元厚生労働省医政局総務課課長補佐は、Accountable Care Organization(オバマケアに盛り込まれた医師、病院、その他ヘルスケア関連事業者による自発的な組織)の現状を紹介。日本への導入にはハードルが高いとするとともに、日本で医療の質の評価・公表を行う仕組みの開発が必要になると指摘。
 その他、医師偏在に関して日本の三師調査を用いて分析した結果や全国の分娩取扱病院の診療科責任者・勤務医を対象として行った「産婦人科医師の勤務実態と働き方改革に関する調査」の概要についても説明を行った。
 その後は、フェローと出席者との間で活発な質疑応答があり、会は終了となった。

 
キーワード:ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院武見プログラムとは
181105e2.jpg 武見プログラムは、1983年に武見太郎元日医会長の構想である「医療資源の開発と配分」に着目したハーバード大学が、日医の協力の下に同大学公衆衛生大学院に設置し、毎年世界各国より10名程度の中堅の専門家・研究者がフェローとして選考され、研究活動を行っている。
 2020年―2021年の武見フェローに関しては本年秋頃、本紙並びに日医のホームページでも募集案内を掲載するのでぜひ、ご応募願いたい。

 問い合わせ先:日医国際課 E-mail:jmaintl@po.med.or.jp

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