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令和元年(2019年)11月5日(火) / 日医ニュース

医療・介護を提供するための適切な財源確保を求め国民運動の実施を全会一致で採択

医療・介護を提供するための適切な財源確保を求め国民運動の実施を全会一致で採択

医療・介護を提供するための適切な財源確保を求め国民運動の実施を全会一致で採択

 第14回国民医療推進協議会(以下、国医協)総会が10月8日、日医会館小講堂で開催され、医療・介護を提供するための適切な財源確保を政府に求める国民運動を展開していくことを決定するとともに、決議(案)を全会一致で採択した。

 冒頭、国医協会長としてあいさつを行った横倉義武会長は、「国民皆保険制度を敷くわが国において、医療関係者の人件費も含めた医業経営の実質的な原資となるのは診療報酬であり、ここに十分な手当てがなされなければ、国民に必要な医療・介護を提供していくための体制を構築し、維持していくことは困難である」と指摘。今回の総会については、「安倍政権が一億総活躍を掲げるのであれば、国民一人ひとりが幸福な国民生活を送れるよう、まずは国民皆保険制度を基盤とする安定した医療提供体制づくりを進めながら、全世代型の社会保障制度の実現を図るべきである。国民が将来にわたり、必要な医療・介護を安心して受けられるために、政府に対して適切な財源の確保を求めることを目的とした国民運動の展開を行っていくことを諮るため開催した」と説明し、その実施並びに決議案採択に向けた理解と協力を求めた。

社会保障の充実により国民不安を解消する―今村副会長

 引き続き議事に移り、「国民運動展開の件」が議論された。
 議論に先立って、今村聡副会長は資料を基に、(1)医療機関の従事者数は252万人(2002年)から、2017年には312万人に増加している(2)医療に財源を投入すれば、特に医療従事者の比率が高い地方では経済の活性化により、経済成長を促し、地方創生への多大な貢献につながる―ことなどを説明。
 国民医療費の財源構成については、自助として「所得や金融資産の多寡に応じた負担に改める」、公助として「新たな税財源の確保による消費税一本足打法からの脱却(①死亡された場合の税のあり方の検討②内部留保を賃金や設備投資に回すようなインセンティブとしての課税など)、共助として「健康保険での休業時の毎月給付である傷病手当金を雇用保険の傷病手当で賄う」「被用者保険の保険料率を協会けんぽ(10%)に合わせて引き上げる」などの改革をすべきと主張した。
 更に、医療関係職種の働き方改革を推進していくためには、財源の確保が必要であること、健康寿命を延伸させることは持続可能な社会保障制度の実現につながることなどを挙げ、社会保障の充実により、国民不安を解消するという日医の考えに理解を求めた。

総決起大会を12月6日に開催―中川副会長

 引き続き、中川俊男副会長が国民運動と決議案の内容を説明した。
 具体的には、(1)国民集会「国民医療を守るための総決起大会」を12月6日(金)に憲政記念館講堂で開催し、決議を採択、(2)都道府県医療推進協議会に対し、①都道府県医療推進協議会主催の地域集会の開催・決議採択②地方議会会期中の都道府県においては、地方議員・議会に対し、地方自治法第99条に則った意見書を国会等に提出するよう要望③国民集会への参加協力依頼、(3)全国各地からの決議文並びに国民集会の決議文をもって、政府関係各方面へ上申―するとした。
 また、福井トシ子国医協副会長(日本看護協会長)は国の動き(医療職の働き方改革等)と日看協の取り組みについて報告。医療職のタスクシフトの推進、役割の拡大のためにも人材の拡充は不可欠であり、そのためには適切な財源が必要であると強調した。
 その後の協議では、国民運動の展開並びに決議(案)が、全会一致で了承され、総会は終了となった。

診療報酬本体のプラス改定を求める―横倉会長

 協議会終了後には、横倉会長、同協議会の副会長である堀憲郎日本歯科医師会長、山本信夫日本薬剤師会長、福井日看協会長が揃(そろ)って、記者会見を行った。
 横倉会長は、「国民皆保険をどう維持していくか、大変難しい時期に入ってきている」とした上で、各地域の実情に合わせた医療提供体制を構築していく必要性を改めて強調した。
 次期診療報酬改定については、「2025年までの落ち着いた時期に、医療提供体制をつくり上げるための財源の確保が必要だ」とするとともに、「多くの業界で人件費が引き上げられる中で、医療界だけ取り残されるわけにはいかない」として、人件費の確保のためにも、診療報酬本体のプラス改定を強く求めていく考えを示した。
 また、働き方改革も課題に挙げ、「地域医療を壊さないように、どう働き方改革を進めていくか。そのためには、適切な人材確保が重要になる」と指摘。定年延長などの検討とともに、財源確保が必要として、「その手当てを政府に要望していきたい」と述べた。

決議
 人生100年時代を迎えるなか、幸福な国民生活を将来にわたりおくるためには、必要な医療・介護を安心して受けられるようにしなければならない。
 よって、持続可能な社会保障制度の確立に向けて、適切な財源を確保するよう、本協議会の総意として、強く要望する。
以上、決議する。
 令和元年10月8日
国民医療推進協議会

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