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令和元年(2019年)11月28日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

全世代型社会保障改革及び令和2年度予算編成について

「全世代型社会保障改革について」

 横倉義武会長は11月27日の定例記者会見で、全世代型社会保障改革について日医の考えを表明した。

 横倉会長は現在、政府の全世代型社会保障検討会議での議論が進んでいる中、国会議員を中心とした会合(医療政策研究会、国民医療を守る議員の会)や日医が主催する会合(全国医師会・医師連盟 医療政策研究大会)が相次いで開催され、持続可能な社会保障に向けた議論が活発に行われていることを説明した上で、「国民の安心につながる社会保障制度が構築されるよう、今後も引き続き積極的に意見を述べて参りたい」と意欲を示した。

 また、全世代型社会保障検討会議において「大きなリスクをしっかり支えられる公的保険制度のあり方」における主な論点として俎上に乗っている3点についても言及した。

 「後期高齢者の自己負担割合のあり方」に関しては、高齢になれば若い時よりも医療を必要とする機会が増え、病気の早期発見につながることから、生活に過度な負担がかからないで済むようにするのが望ましいとする一方で、現役世代に負担がかかっていることにも理解を示し、この問題に関しては「加藤勝信厚生労働大臣も述べているように、さまざまな角度からデータに基づいて国民生活への影響を慎重に見極めていく必要がある」とした。

 加えて、社会保障の持続可能性と財政健全化の両立を図るため、低所得者にも十分配慮しつつ、国民が納得できるよう、十分な議論を尽くしていくべきであるとの考えを示した。

 「外来受診時の定額負担のあり方」に関しては、1.受診時定額負担は改正健保法附則で明記され、その後の国会での附帯決議でも確認されてきた、「給付率100分の70」を超えて患者から徴収するものである2.定額負担の導入によって患者のアクセスを悪化させることや、医療費が上昇する分を患者の負担でまかなう仕組みだけで解決しようとすることは、決してあってはならない3.財政的に支えられないとの理由から、ルールを変えて患者に負担を求めることは、社会保障としての国民皆保険の理念に反する―ことなどを挙げ、明確に反対する姿勢を強調。

 また、自民党「国民医療を守る議員の会」の決議でも、「受診時定額負担は患者負担を将来にわたり最大でも3割までとしてきた、これまでの原則を変更するものであり、絶対に導入しないこと」と明記されたことも述べた。

 「市販品類似薬の保険上の取扱い」に関しては、「医療上必要な医薬品は保険でも対象とされるべき」とするとともに、「重篤な疾患だけを保険給付の対象とすれば、社会保険の恩恵が薄れ、経済的弱者が軽微な症状での受診を控えることにより、重症化するおそれがある」と指摘した。

 その上で横倉会長は、全世代型社会保障改革に当たっては、「将来の社会保障のあり方を大所高所から議論すべきであり、目先の財源にとらわれた細かい議論をすべきではない」と述べ、理解を求めた。

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「令和2年度予算編成について」

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 横倉義武会長は11月27日の定例記者会見で、令和2年度予算編成について、日医の見解を述べた。

 横倉会長はまず、全世代型社会保障改革で議論されている患者負担のあり方という今後の国民生活に深く関わる問題と、来年度の診療報酬改定を含む予算編成とは全く別の話であると指摘。

 その上で、財務省の財政制度等審議会(以下、財政審)が、「令和2年度予算の編成等に関する建議」の中で、診療報酬のマイナス2%半ば以上のマイナス改定を求めていることに対しては、「他産業に比べて医療分野の賃金の伸びが低いことも踏まえ、前回を大幅に上回り、さらに働き方改革が実現できるような改定率を確保するなど、地域の医療現場を支えるために十分な手当を講じるべきである。これは、『医療政策研究会』や『国民医療を守る議員の会』でも決議を頂いている」と反論。

 更に、現在、全就業者の11.9%を医療・福祉従事者が占め、医療・福祉分野の従事者数は全産業の中で3番目に多く、従事者もこの10年間で他の産業よりも大きく伸びていることを挙げ、「医療・福祉分野の就業人口が増加する中で、給与水準が低いままでは、全産業の平均賃金の上昇も鈍くなる。全産業で3番目に従事者数が多い、医療・福祉分野の賃金を上昇させることは、ひいては全産業の平均賃金の上昇につながる」との考えを示した。

 また、令和2年度の予算編成に向けた日医の考えとして、以下の4項目を明示。

(1)世界に誇るべき「国民皆保険」を持続可能なものとするため、令和2年度診療報酬改定については、他産業に比べて医療分野の賃金の伸びが低いことも踏まえ、前回を大幅に上回り、さらに働き方改革が実現できるような改定率を確保するなど、地域の医療現場を支えるために十分な手当を講じるべき。

(2)社会保障費の自然増が約5,300億円と見込まれる中、消費税増収分を社会保障の充実に活用することは国民との約束であり、診療報酬の改定を始め、消費税増税財源を活用し、医療・介護における適切な財源を確保するべき。

(3)地域医療介護総合確保基金と医療情報化支援基金のさらなる積み増しを行うべき。

(4)医療機関等で働く人の働き方改革は、喫緊の課題であり、国民に安全・安心な医療を提供するために必要な財源と人材を確保するべき。

 加えて、財政審が建議の中で「病院と診療所との間で改定率に差を設けるなど配分に当たっての大枠を示すべきである」と述べていることに触れ、「配分に当たっては、医療経済実態調査の結果を踏まえ、中医協で診療側・支払側・公益委員がしっかりと議論しており、財政審が医療費の配分についてまで言及するのは越権である」と述べ、強い不快感を示した。

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問い合わせ先

日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

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