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令和2年(2020年)3月20日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

新型コロナウイルス感染症に関する日医の対応について説明

日医定例記者会見 2月26日

 日本国内の複数の地域で感染経路が明らかでない新型コロナウイルス感染症の患者が散発的に発生している状況を受けて、横倉義武会長と釜萢敏常任理事は日医の対応を説明し、国民への協力を求めた。
 まず、横倉会長は、本感染症の現状について、国民が一体となって拡大防止に努めていかなければならない状況にあると強調。特に感染の集団発生(クラスター)の連鎖拡大を何としても抑えるためには、今後、1~2週間の行動が感染拡大の防止に極めて重要であることから、3月を「新型コロナウイルス感染拡大防止強化月間」に位置付け、対策を強化していくとの考えを示した。
 その上で、横倉会長は、感染者が存在した場合、一度に多くの人に感染させるリスクを減らすためにも、(1)対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばして届く距離)で会話などが一定時間以上続き、かつ多くの人々との間で交わされる環境等になり得る集会やイベント等の延期、(2)混雑時を避ける工夫として時差出勤やテレワークなどの実施、(3)学校は地域の流行状況に応じて学校医と相談の上、地域ぐるみの休校や春休みの一部前倒しの措置の検討―をすること等への協力を求めた。
 (3)の実施については、「学校医は地域の状況を的確に把握した上で対応して欲しい」と述べるとともに、休校により当該年度における学習に遅れを来すことのないよう自宅での学習を進める環境整備や、企業等に対し休校になることにより育児が必要な保護者への柔軟な対応を求めることも重要であるとした。
 また、感染防止の基本対策として、学校や職場、自宅到着時の手洗いの徹底を求めるとともに、ドアノブやエレベーターのボタンなどの清掃を行い素手で直接触れないようにする、外出中はなるべく顔を手で触らないようにすることなどを注意喚起した他、発熱や咳、強いだるさ(倦怠感)など体調に「いつもと違う」異変を感じた場合は、まずは学校、職場等を休むよう要請。「日医は国民の皆さんに安心して暮らして頂けるよう、地域の医師会の協力の下、感染拡大防止に向けた取り組みを行っていくが、国民の皆さんにもぜひ、ご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
200320e2.jpg  続いて、釜萢常任理事が、政府の新型コロナウイルス感染症対策に関する基本方針(2月25日)を踏まえた日医の今後の対応について報告した。
 同常任理事は、基本方針において、今後、感染者が増加した場合を想定し、医療機関に対して、診療時間や動線を区分する等の感染対策を講じた上で、感染を疑う患者への対応が求められていることに対して、受け入れ体制の取れる医療機関で対応しなくてはならない場合の問題点として、標準予防策に必要な感染防護具が確実に配備される必要があり、医療機関によって可能な感染対策に差があると指摘。関係医療機関等に対して協力を求められた場合に備えて、外来における感染防止対策の確認を改めて促す通知を都道府県医師会及び郡市区医師会宛てに発出したことを報告し、「各地域の状況に応じた対策を講じていくことが重要になる」とした。
 また、PCR検査については、「今は何としても重症者の把握やクラスターの連鎖を徹底的に防ぐことが重要であり、そのためにも、PCR検査は有効な手段になる」とする一方、検体の採取には感染の危険が伴うことから、厳重な感染予防対策の下の実施でなくてはならず、検査件数の増加には検査体制の確立も踏まえ、十分な感染管理が必要であることに理解を求めた。
 更に、同常任理事は、PCR検査の必要性の判断は医師が行うとの方針が国からも出されている中で、医師が検査が必要と判断したにもかかわらず、検査に結び付かなかったなど、不適切と考えられる事例が寄せられていることを受けて、都道府県医師会を通じて同様の事例に関する調査を行うことを明らかにするとともに、国とも情報を共有し、その是正を求めていく考えを示した。

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