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令和2年(2020年)3月5日(木) / 日医ニュース

寒い夜に見る夢

 今年も、センター試験に雪の影響が出た。大学入学試験の日には、雪がつきものである。
 寒い冬が訪れると、必ずセンター試験を受けている夢を見る。しかも、やっていない分野の難問が出て焦っている夢である。物理で「エンタルピー」が出て、こんな分野やってないよーと、奈落の底へ落ちていく夢である。
 私が大学受験した1980年代は、社会科で教科書が最も薄い「政・経」と「倫・社」を選択して二科目と勘定できた時代、共通一次試験である。
 しかし、「政・経」がさっぱりできず浪人し、翌年はこの二科目の組み合わせでは受験できなくなり、高校時代に内職(別の科目を勉強する)時間であった「日本史」を新しく勉強して、「倫・社」、「日本史」で受験した。
 大学の進級試験、医師国家試験、その他、数々の試験を受けたが、夢に出てくるのは共通一次試験で失敗する夢だけである。18歳の心の傷がどうして今でも夢に出てくるのだろうか。そのつまずきのおかげで、今のところ次の大きな失敗はないのかもしれない。
 医師の働き方改革が議論されている。時間外労働1860時間以上の医師は、全体の1割に上ると言われている。私達は、医師になるために睡眠時間を減らして勉強し、医師になった後もキャリアアップのために難しい試験を受け続け、患者さんのために身を粉にして働いている。
 もうベテランと言われても良い年になっているのに、試験に落ちる夢を見るのは勘弁してほしい。医師を引退すれば免れるのでしょうか。

(洋)

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