令和2年(2020年)5月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース
民間企業による法人向けPCRキット販売に懸念を表明
(5)民間企業による法人向けPCRキット販売に関する日医の見解について/釜萢敏常任理事
日医定例・臨時記者会見 4月22・28日
釜萢常任理事は、民間企業による法人向けPCR検査キットの販売に関して、「大変危惧の念を抱いている」と述べ、その具体的な問題点として、(1)検体採取を行う際に、周囲に感染が拡大する危険性がある、(2)検体採取は正確に行われる必要があり、不正確であれば結果は信用できない、(3)偽陰性で職場に出た場合、周囲に感染を拡大させる、(4)結果を医療機関に持って来られても対応は困難である―ことを挙げた。
その上で、リスクが高く、結果の取り扱いに伴う個人情報保護の問題も懸念されるとした。
また、同日開催された政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議においても、同検査キットに対しての問題意識が示されたことを紹介し、企業が同キットを購入し、検査を実施した場合は、混乱を来す可能性があることを改めて強調。PCR検査は精度をしっかりと管理した上で幅広く行うことが重要であり、「"医師が必要と認めたケース"について、しっかりした検査ができるということが大事である」と述べた。
※なお、同キットは一時的に販売中止となっている(5月18日時点)。
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