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令和2年(2020年)4月30日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に関する最近の日医の動きについて

 横倉義武会長は4月28日の臨時記者会見で、国民に対してゴールデンウィークにおいても引き続き、外出自粛を徹底するなど、感染拡大防止に向けた協力を呼び掛けるとともに、最近の日医の対応等について報告した。

 まず、横倉会長は、緊急事態宣言の発令から3週間が経過した現状について、「全国では依然として多くの新規感染者が出ている状況であり、今後は緊急事態宣言の解除が課題となるが、まだまだ厳しい状況が続くのではないか」との見方を示した。

 その上で、治療方針の確立には早期診断・早期治療が重要であり、そのためのPCR検査の拡充や抗体検査の実施を行っていく必要があることから、各郡市区医師会等の協力により、各地域でPCR検査センターの設置が始まったことを紹介。また、新型コロナウイルス感染症と診断された高齢者やハイリスク者への治療として、ファビピラビル(商品名:アビガン)を始めとした抗ウイルス薬の早期投与が重要であり、更に重症者へのレムデシビル、トシリズマブ(商品名:アクテムラ)の投与も考えられることから、4月27日には、自由民主党の岸田文雄政務調査会長、田村憲久政務調査会長代理宛てに要望書「新型コロナウイルス感染症の初期入院患者に対するアビガンの投与について」を提出したことを説明。投与禁忌、副作用、基礎疾患治療のため服薬中の他剤との相互作用などに十分に注意することを前提として、備蓄されているアビガンを活用し、入院初期のハイリスク者に対する投与を積極的に推進していくよう求めた結果、同日夜には、厚生労働省から事務連絡「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について」が発出されたとした。

 また、横倉会長は、マスク等の医療物資に関して、都道府県へ送付後の流通状況の把握など、きめ細やかな対応が必要との認識の下、日医事務局内に「医療物資プロジェクトチーム」を設置・発足させたことを報告。都道府県医師会に対して医療物資の状況について緊急電話調査を行ったところ、現時点で把握している医療物資は、サージカルマスク、消毒液のみで、N95マスク、ゴーグル、フェイスシールド、ガウン、ゴム手袋についてはほとんど情報が入っていないという結果であったことを明らかにした。

 その上で、「国において都道府県行政にマスクが供給される一方、現場ではマスクの不足感が強まっている。流通のボトルネック、供給状況が不透明なことから、次の供給がいつなされるか分からず、医療現場では不安感が増しており、流通の改善を行って、供給状況の情報が的確に現場に伝わることで不安解消につなげていく必要がある」と述べた。それとともに、「サージカルマスク以外の医療物資については把握できていない部分もある一方、現場においてさまざまな努力で医療物資の不足に対応してもらっている状況もあり、院内感染拡大防止のためにも、国としっかり調整していく必要がある」との考えを示した。

 その他、ソフトバンクグループの孫正義会長とマスク等についてテレビ会談等を行い、5月下旬より相当数のマスク等を無利益の原価で手配してもらえることになっていることにも言及し、「医療現場のニーズを直接聞き取り、必要とする物資を速やかに現場に届けることができる仕組みづくりに取り組んでいく」とした。

新型コロナウイルス感染症

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