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令和2年(2020年)5月11日(月) / 「日医君」だより

第11回新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第11回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が5月8日、テレビ会議システムを利用して、日医会館で開催された。

 冒頭あいさつした横倉会長は、全国で感染の第2波に備えておくことが一層重要になるとするとともに、日医としても5月を「感染拡大防止継続月間」と位置づけ、国民の一層の協力を得る中で、更なる取り組みを進めていく考えを示した。

 また、医療機関の経営状況についても触れ、減収が今後更に深刻化することが想定されると指摘。「今後は、第2次補正予算で、各地域において診療体制を継続していくために必要な対応をしてもらえるよう、『医師国会議員の会』等とも協調しながら、強力に働き掛けていく」として、引き続きの支援を求めた。

 議事では、まず、釜萢敏常任理事が、5月4日に緊急事態宣言が延長されることが決まった経緯や変更された「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」等について説明。指針に「厚生労働省は、患者等に関する情報を関係者で迅速に共有するための情報把握・管理支援システムを早急に構築する」とされていることについては、「システムに都道府県・郡市区医師会が参加できるよう、都道府県協議会で議論し、対応してもらいたい」と述べた。

 また、「政府は、医療機関の空床状況や人工呼吸器・ECMOの保有・稼働状況等を迅速に把握するシステム(医療機関情報把握システム)を構築・運営」との記述があることにも触れ、「入力が円滑に進むような対策が必要だ」とするとともに、診療報酬上で工夫ができないか検討中であることを明らかとした。

 松本吉郎常任理事は、持ち回りで当日に開かれた中医協総会において、新型コロナウイルス感染症の治療薬として特例承認された「ベクルリー」の保険上の取り扱いについて議論が行われ、保険外併用療養制度の評価療養を適用することが了承されたことを報告。了承に当たっては、「現時点で有効性や安全性に関する情報は極めて限定的であることから、現在実施中の治験結果など新たな情報が得られ次第、適正使用に必要な情報を医療現場に提供すること」「配分の際には混乱なく、必要な患者に適切に使用できるような体制の整備」等、6点を求めたことを明らかとした。

 長島公之常任理事は、5月6日に「ベクルリー」を薬事食品分科会第二部会で特例承認した経緯等を概説。その使用に当たっては投与が適切と判断された症例のみが対象等、厳しい縛りが設けられているとした。

 江澤和彦常任理事は、介護老人保健施設等において感染拡大が起きていることを踏まえ、厚労省から出された事務連絡を基に、生活空間等の区分けなど、感染拡大防止のための留意点等を説明。また、羽鳥裕常任理事は、日本禁煙学会から示された喫煙者のパルスオキシメーターの測定値が高くなることの注意点を紹介した。

 その他、当日は、北海道医師会の招待を受けて参加した豊嶋崇徳北大教授が唾液を用いたPCR検査の仕組みについて解説し、その利点を強調。福岡県医師会からは、同県医師会が行っている電子レセプト集積事業の結果を基に、診療所の厳しい経営状況の報告がなされた。

 また、兵庫県医師会からは、国が行っている消毒用エタノールの優先配布に関して、高額な品物が代引きで送られてきているとして、その改善が求められた。

 最後に総括を行った横倉会長は活発な議論に謝意を示した上で、緊急事態宣言が解除された際に県を超えた往来への対応が大きな課題となることから、全国知事会と5月12日に意見交換を行うことを報告。「日医としてもしっかり議論し、対応を考えていきたい」と述べ、協議会は終了となった。

◆映像でご覧いただけます。(メンバーズルーム内の掲載となります)
映像配信 コロナウイルス感染症関係

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