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令和2年(2020年)7月9日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

令和2年豪雨災害、新型コロナウイルス感染症による医療機関経営への影響等に対する日医の対応について(総論)

 中川俊男会長は、7月8日の定例記者会見で、令和2年度豪雨災害や新型コロナウイルス感染症による医療機関経営への影響等に対する日医の対応について説明した。

 中川会長は冒頭、同豪雨災害による犠牲者に哀悼の意を表明した上で、気象庁が熊本県と鹿児島県に大雨特別警報を発表して以来、適宜両県医師会等と情報共有をしてきたことを説明。合わせて、被災県医師会では、6月に日医の救急災害医療対策委員会が作成した「新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル」を踏まえ、早期から県庁や管下の郡市医師会と連携していることも紹介した。

 次に、同感染症による医療機関への影響について、「同感染症患者、あるいは対応病床がある病院では、医業利益が大幅に悪化している」と強調。重症・中等症の同感染症患者に対する診療報酬の引き上げや各種補助金等の対応はあるものの、固定費である給与費をカバーするには不十分な状況であるとの認識を示した。

 また、同感染症に対応していない地域を面で支えている医療機関も医業利益が悪化していることや、同感染症対応従事者慰労金はワンショットであり、個人に支給されるもので医療機関経営の原資になるものではないことを指摘。『医療経済実態調査』の実施が難しい状況であれば、厚労省が所管する国立病院機構、労働者健康安全機構、地域医療機能推進機構に調査を行い、その結果を中医協で公的な資料として活用することを提案した。

 この点について中川会長は、「全ての医療機関が地域を面で支えており、同感染症に対応していると言っても過言ではない」と述べるともに、「一般の患者の受け皿があってこそ、医療機関は同感染症患者に集中できる」と述べ、同感染症重点医療機関等を支えるためにも、地域を支える医療機関への支援の必要性を強調した。

 更に、今後の展望については、受診控えや健診控えは容易に回復することはないとの見方を示し、固定費をカバーする支援を行わない限り、医療体制の維持はできず、追加的な支援も必須であることから、「患者が安心して医療を受けられるよう、医療機関の経営状況等も把握し、引き続き、必要な対応を実施するよう国に強く求めていく」との考えを示した。特に診療報酬での対応が必須であるが、その際の注意点として、患者の自己負担増加にならないよう、公費で対応する仕組みを検討することを挙げた。

 その他、あくまで一例とした上で、いわゆる『コロナうつ』『コロナ太り』等による疾病を早期に発見し、継続して治療を行う場合は通常の保険診療へつなぐため、「"かかりつけ医へいこう"という"Go To キャンペーン"も考えられる」と述べるとともに、先日、自身から加藤勝信厚労大臣に申し入れを行った、感染症防止対策を強化している医療機関への『安心マーク』(仮)の掲示に触れ、「厚労省から国民への広報、更には市区町村から予防接種や健診の積極的な勧奨をするよう求めていきたい」とした。

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