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令和2年(2020年)9月5日(土) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

令和2年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果を公表

日医定例記者会見 8月5・19日

 釜萢敏常任理事は、本年5月に日医が実施した「令和2年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査」の結果を公表した。
 本調査は、医師会立の助産師・看護師・准看護師学校養成所における入学・卒業状況の実態と運営状況等の把握を目的として毎年実施しているもので、今年度は324校から回答を得た。
 調査結果の主な概要は、以下のとおり。
【学校数】
 今年度募集を行った学校数は、准看護師課程165校、看護師2年課程68校、看護師3年課程69校、助産師課程5校。助産師課程を除いた全ての課程で、昨年度と比べ募集校数が減少している。
【入学状況】
 今年度は准看護師課程への応募者数が初めて9000人を下回り、大きく減少。入学者数は定員7383人に対し5642人と大きく定員を割り、全国の平均倍率は1・1倍(最高倍率3・1倍、最低倍率0・3倍)であった。また、他の課程も応募者が減少しており、看護師2年課程は0・9倍(最高倍率2・0倍、最低倍率0・2倍)、看護師3年課程の倍率は2・1倍(最高倍率4・7倍、最低倍率0・7倍)であった。
【卒業後の進路】
 准看護師課程の場合、医師会管内(設立母体の医師会管内の医療機関に就業した者)が27・5%、医師会管外(それ以外の県内の医療機関に就業した者)が14・6%であった。准看護師課程は、その性格上進学が多く、医療機関に就業しながらを含めて進学が43・8%であった。看護師2年・3年課程は、医師会管内が5割強、医師会管外が3割弱で、合計8割以上が県内の就業であった。
 同常任理事は、「看護系大学の増加や少子高齢化の影響もあり、どの課程も学生の確保・経営面において厳しい状況にあるが、ここまで何とか課程を維持してきた准看護師養成所においては、募集停止・閉校が増加傾向にあり、大変厳しい状況にある」との認識を示す一方、「医師会立学校養成所卒業者の県内就業率は高く、地域の看護職員の確保に非常に大きな役割を果たしていると言える。この厳しい状況下で負担がますます増大し、養成所の運営自体が危ぶまれる中、学校独力で現状を変えていくことは極めて困難である」と指摘。「日医として、厚生労働省へ基金の確保や規則の柔軟な運用、並びに養成所同士の連携や共同運営が可能となるような指定規則の検討について引き続き要望していく」と述べ、状況改善に向けた意欲を示した。

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