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令和2年(2020年)9月3日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症の最近の状況について

 中川俊男会長は9月2日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の最近の状況に対する見解を示し、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において決定された「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」を評価するとともに、厚生労働省と協議し、医療現場の手を煩わせない簡素な手続きでPCR検査をできるよう準備を進めていることを報告した。

 同会長はまず、安倍晋三内閣総理大臣が8月28日の記者会見で辞任の意向を示したことに触れ、「安倍総理は、連続在職日数が憲政史上最長になるなど、安定した政権運営の下、わが国が抱える諸課題の解決に向けて尽力された。また、かかりつけ医の普及に努められるなど、国民皆保険に大変ご理解があり、日医を始め、医療界としてもさまざまなお力添えを頂いた」として、謝意を示した。

 新型コロナウイルス感染症の今後の取り組みに関しては、8月28日に開催された政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において決定された「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」について、「感染防止と社会経済活動との両立にしっかりと道筋をつけるものと評価している」とした上で、取組7項目のうち、(1)感染症法における入院勧告等の権限の運用の見直し、(2)検査体制の抜本的な拡充、(3)医療提供体制の確保―について日医の見解を述べた。

 (1)に関しては、「新しい感染症は、発生直後には分からないことが多く、一類~三類感染症の措置のうち、必要な措置を選んで指定感染症として対策をとることになっている。新型コロナウイルス感染症は、二類感染症の措置と近いことから、二類相当と便宜的に言われているが、実際は新型コロナのためにカスタマイズされた措置が取られている」と指摘。対策本部会議の、入院では重症者を重点的に診て、無症状者や軽症者については宿泊施設・適切な者は自宅での療養での健康観察を徹底するとの方針に同意するとともに、「指定感染症から外すということではなく、対応を現状に合わせたものに柔軟に見直すべきである」との考えを示した。

 (2)に関しては、日医の緊急提言と全く同じ方向性であると評価。厚労省の健康局長と協議を行い、医療現場の手を煩わせない簡素な手続きでPCR検査をできるよう合意に至ったとし、具体的な方法について通知を発出する方向で準備をしていることを明らかにした。

 (3)に関しては、「患者を受け入れる医療機関の安定経営を確保するための更なる支援」及び「地域の医療提供体制を維持・確保するための取組み・支援を進め、季節性インフルエンザ流行期に備え、かかりつけ医等に相談・受診できる体制の整備」が挙げられていることを説明。「ようやく先週から第二次補正予算による各種支援金が医療機関に振り込まれ始めており、ひと息はつけるが、医療現場の戦いは続いている」として、追加的支援が不可欠であることを強調した。

 また、加藤勝信厚労大臣との電話会談でも、新型コロナウイルス感染症に対応している医療機関のみならず、地域を面で支えている医療機関への支援を強く求めたことに触れ、「日医は厚労省と強いタッグを組んで、日本の医療を守る。財務省には躊躇なく予備費を有効に活用して頂きたい」と予備費の活用を強く求めた。

 更に、季節性インフルエンザの流行に備えた体制整備について、厚労省と最終的な協議を行っていることを報告。「発熱患者等はかかりつけ医等の地域で身近な医療機関に電話相談するよう周知すること」「外来診療・検査可能な医療機関名とその対応時間等について、地域の医療機関や受診相談センター間で随時情報共有し、地域の医師会等と話し合った上で、公表を希望する場合は、自治体のホームページ等で公表すること」などの方向で、近日、同省から通知が発出される予定であるとした。

 「みんなで安心マーク」については、現時点で約10,000件の発行があることを紹介した他、各都道府県におけるPCR等検査の検査対応能力に係るアンケート調査を、8月21日から31日の期間に実施したことを取り上げ、検査機器の増設が必要・人材が不足しているという回答が多いなどの傾向を概説した。

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