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令和6年(2024年)1月10日(水) / 「日医君」だより

被災地の医療を支える~全国の医師会からのJMAT派遣第1陣

 日本医師会では、1月1日に発生した令和6年能登半島地震に対し、石川県医師会の要請を受け、都道府県医師会が編成した"JMAT"(日本医師会災害医療チーム)を被災地へ派遣しています。

 1月9日現在、石川県医師会自らによる「被災地JMAT」も含め、延べ25チームが穴水町を中心に派遣されています(本部への配置等を含む)が、今回は、最初の石川県外からの「支援JMAT」となった、福岡県医師会のチームの活動をご紹介します。

 福岡県みやま市ヨコクラ病院の医師、看護職、事務職からなるこのチームは、横倉義典医師をリーダーとして、1月6日早朝に出発、小松空港から陸路、七尾市を経由して公立穴水総合病院へと向かいました。七尾市から先は、地震の影響で破損が激しい道路事情の中、約3時間かけて穴水町に到着しました。

 穴水総合病院では、先着の石川県医師会JMATの佐久間医師と合流し、打ち合わせを実施、さっそく避難所のスクリーニング調査を依頼されました。

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 次に、町役場の避難所の調査に入りました。そこでは、ご自身も被災者といえる近隣の診療所医師が定期的に健康観察を行っておられましたが、今後は支援チームに切り替えることができました。役場にいる統括DMAT(DMAT:国の災害派遣医療チーム)とは、避難所支援や地域医療の状況把握のための活動拠点を検討しました。

 翌7日には、宿泊先の七尾市を出発し、穴水総合病院に到着し、朝8時からのミーティングに参加しました。前日検討した避難所と被災者支援のための本部が役場に立ち上がっており、その支援を行いました。

 更に新たに加わった石川県医師会の追加JMAT、また栃木県医師会、愛知県医師会のJMATとともに、町の担当者、保健師等の避難所支援に関わるチームで全体会議を行い、避難所のスクリーニング、現地の医療機関や薬局の状況、薬が必要な方への対応、感染症対策などを協議しました。

 その後、JMATの5チームは、各自受け持った避難所のスクリーニングに出発していきました。福岡県医師会チームも4か所の避難所を巡回しました。この日は、夜から大雪の予報が出ているだけでなく、道路状況も分からず、唯一の国道249号も閉鎖の恐れがあるとの情報を得て、やむなく宿泊先の七尾市に戻ることを決断しました。

 その後3日目の1月8日には、前夜から出されていた交通規制が朝7時に解除となったたため、急ぎ、穴水町へと再び向かい、被災者支援を行いました。

 現場の懸命な努力により、次第に避難者の状況や保健医療ニーズが明らかとなってきました。今後、JMATの活動範囲は広がり、多数のチームを派遣することになります。

 今回ご紹介したJMAT活動は、被災地である石川県医師会と全国の医師会、日本医師会の協働によって行われているものです。医師会は、長期化が懸念される避難生活を医療面で支援し、地域コミュニティの再建を支えて参ります。

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