では、じんましんに特徴的な少し膨らんだ皮疹は、どんなメカニズムで生じるのでしょうか。じんましんの膨らんだ皮疹の正体は、皮膚の真皮にある毛細血管が拡張し、同時に血管から血漿成分(水分)が漏れ出して膨らむことによります。この作用に深く関わるのがヒスタミンで、何らかの刺激により真皮内の肥満細胞という細胞から放出される物質です。また、このヒスタミンは、皮膚の知覚神経を刺激して強いかゆみも生じさせます。
結局、肥満細胞を刺激する物質がじんましんの原因なのですが、じんましんの多くは原因不明の特発性であり、突き止めるのは容易ではありません。肥満細胞からのヒスタミンの放出が終わると、血管は縮小し、漏れ出した血漿成分も血管内に戻って、膨らんだ皮疹はきれいさっぱりなくなります。
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