川崎病の特徴的な6種類の症状自体は、治療せずに放置しても多くが1〜2週間で自然に治まります。しかし、川崎病で問題視されているのは、これらの症状の背後に血管の炎症があり、特に心臓の冠動脈に後遺症をもたらすことです。冠動脈が拡大したり冠動脈に瘤ができやすくなり、この状態だと将来冠動脈が狭くなったり急性心筋梗塞を起こすおそれがあるのです。
最近の調査では、患者全体の約10%に冠動脈の拡大や瘤といった心臓の障害が見られ、約3%で後遺症となって残ったという結果が報告されています。治療せずに放置した場合、これらの後遺症になるおそれが高まると考えられますので、早期の受診が大切です。
現在では、炎症を抑え、冠動脈瘤の発生を予防する治療法が積極的に行われるようになったので、死亡に至るケースはごくまれです。2007〜2008年での死亡例は6人で、死亡率としては0.03%と低い数値にとどまっています。
小さい子どもはよく熱を出すものですが、原因不明の熱が続く場合には、熱以外に川崎病に特徴的な症状がないか十分に気をつけ、早期に医師の診察を受けさせることが大切です。
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