鼠径ヘルニアという病名は聞き慣れないかもしれませんが、「鼠径(そけい)」とは太ももの付け根の部分をいい、「ヘルニア」とは体内の組織が本来ある位置からはみ出した状態をいう言葉です。
胃や腸、肝臓といった腹部の臓器は、筋肉とそれを包む筋膜から成る腹壁で外にはみ出ないように守られています。
鼠径ヘルニアは、太ももの付け根の部分から腸やお腹の内側を被っている腹膜がはみ出す病気で、一般には「脱腸」という呼び名のほうがなじみやすいかもしれません。
ただ、男性には体内と精巣をつなぐ筒状の管があり、ここは他の部分よりも筋膜が弱くなっていて、腹膜や腸がはみ出しやすい構造になっています。
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