子宮は、胎児を育てる働きをする臓器です。
前には膀胱、後ろには直腸が隣接しており、骨盤の底部に位置しています。子宮は鶏卵くらいの大きさをしていて、洋梨を逆さまにしたような形状です。
子宮の下から3分の1、膣につながる部分を子宮頸部と呼び、上の3分の2を子宮体部と呼びます。子宮体部の左右には、卵管と卵巣が連結しています。
子宮がんは、がんが発生する場所によって、2種類に分けられます。
子宮頸部の入り口である外子宮口のあたりに発生する事が最も多いがんです。通常、子宮頸がんは一定の時間をかけてゆっくりと増殖します。がんが発見される前の段階として、子宮頸部の組織にがんに進行する可能性がある細胞が増えていきます。これを異形成と呼びます。定期的に検診を受ければ、がんになる前の異形成の段階で見つけることが可能です。
子宮体がんは、その95%は子宮内膜から発生する事から、子宮内膜がんとも呼ばれます。子宮体がんは40歳後半から増加し、50歳代から60歳代で最も患者数が多くなっています。最近、日本の成人女性に増えてきているがんのひとつです。
子宮頸がんで2,894人が亡くなっています。(2021年)
一生のうちにおよそ76人に1人が子宮頸がんと診断されています。(2019年データに基づく累積罹患リスク)
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計、全国がん登録)