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平成27年(2015年)8月5日(水) / 日医ニュース

iJMAT構想に基づき台湾の爆発事故での重度熱傷者への緊急医療支援を実施

 石井正三常任理事は、6月27日に台湾新北市のテーマパーク「八仙海岸八仙水上楽園」で発生した粉塵(ふんじん)爆発事故による多数の熱傷患者の治療に際し、台湾医師会及び台湾路竹会(医療ボランティアNGO団体)からの緊急医療支援の要請を受け、「日本医師会『3学会合同熱傷診療支援医師団』」を派遣したことを明らかにし、その経緯等を説明した。

 日医では、iJMAT(international Japan Medical Association Team)構想に基づいて、「災害時の医療・救護支援における医師の派遣と支援体制における相互承認に関する日本医師会と各国医師会との間の協定」を台湾医師会と7月中に締結する予定で作業を進めていたが、今回の事故を受け、急遽(きゅうきょ)AMDA(The Association of Medical Doctors of Asia:認定特定非営利活動法人アムダ)の菅波茂代表と氏家良人日本集中治療医学会理事長が、7月2日に訪台し、現地状況を掌握した上で要請に基づく派遣が行われた。

 今回の事故による負傷者は、6月30日時点で498名(集中治療室:277名、一般病棟:160名、退院60名、死亡:1名)に上り、特に重症度の高い患者が多く、日本赤十字社から台湾の赤十字へ寄贈された人工皮膚や、日本企業から寄贈された医療用品等を用いた治療に際して、日本の専門の医師の協力が求められていた。そこで、日本集中治療医学会・日本救急医学会・日本熱傷学会の3学会から推薦された、熱傷治療の専門家6名を「日本医師会『3学会合同熱傷診療支援医師団』」として、7月12日(日)~15日(水)の予定で派遣したものである。

 同常任理事は、「東日本大震災時には台湾から義援金等の支援も頂いており、関係者と相談して派遣を決めた。アメリカも医療チームを派遣する予定という話もあり、災害支援においては、一度に行って逆に負担をかけることもあるので、一旦引き揚げて、今後は、いわゆる"デマンド型"の災害支援をとり、必要に応じ、現地の関係者等の意向をうかがってから追加支援を検討することになる」と述べた。

 なお、日医では、4月25日に発生したネパール大地震の災害救援を目的とした支援金募集を行ってきたが、台湾に対してもその募集を行うことにした。

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