左から石井常任理事、横倉会長、ネパール医師会のサロジ副会長、AMDA菅波代表
左から石井常任理事、横倉会長、ネパール医師会のサロジ副会長、AMDA菅波代表
横倉義武会長は2月10日、石井正三常任理事の同席の下、日医を表敬訪問したAMDA菅波茂代表とAMDAネパール支部長でもあるネパール医師会のサロジ・プラサド・オジャ副会長と会談し、ネパール地震の復興支援活動等について報告を受けた。
2015年4月25日に発生したマグニチュード7・8の大地震はネパール中部を直撃し、各地に大きな被害をもたらした一方、その復興の最中の翌5月に起こった余震では精神的なダメージを強く受けた住民がPTSDを発症するなど、不安や恐怖、頭痛などを訴える住民が多く見られた。
しかし、ネパールでは精神科医、臨床心理士、心理カウンセラーの絶対数が不足しているため、被災地での精神医療が行き届いていない現状であったことから、AMDAでは、日医、ネパール医師会の協力の下に、心理カウンセリングを行える人材を育てるための合同心理カウンセリングボランティア養成プログラムを実施。現在は、ヘルスアシスタントや地方開発担当のスタッフなど、約140名が履修している。
会談では、ネパール医師会のサロジ副会長から日頃の日医の支援に感謝の意が示されたのに対して、横倉会長は、「自然災害における住民のメンタルヘルスの重要性が再認識されたと感じている。具体的な取り組みが行われ、その成果を上げた今回の経験を、今後の被災者支援にも生かしていきたい」と述べた。
また、横倉会長は、AMDA菅波代表と災害発生時の被災地、被災者支援における連携をこれまで以上に強力なものにしていくことを改めて確認した。