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平成28年(2016年)3月5日(土) / 南から北から / 日医ニュース

すぐ返事を

 谷口家の家訓に、人からモノを頂いた時や手紙などを受け取ったらすぐ返事を書くというのがある。小さい時からそうしつけられてきたので、当たり前の習慣と思っていた。
 そのため、いつでも礼状や返事が出せるように、机の上には洗濯バサミに挟まれたお手製のオリジナルハガキが置いてある。なぜ洗濯バサミに挟んであるのか? それはただ机の上に置いてあると、他のモノに紛れてしまったり、探すのが面倒くさいと思うからである。すぐに書かないと出しそびれたり、結局出さなかったりしてしまう。返事を書くというタイミングは、すぐではないとテンションが上がらないからだ。
 お中元やお歳暮が宅急便で届くと、その送り状を切り取り、洗濯バサミに挟んで机の上に置いておく。時間を見つけては、必ずその日のうちにお礼のハガキを出す。洗濯バサミは必需品なのである。
 プレゼントを送った方も、そのハガキを受け取れば無事着いたんだと分かるし、喜ぶと思う。
 患者紹介の場合も同じである。里帰り分娩で帰って来られた際、必ず紹介状を持って来られる。そういう場合、必ず来院したという返事を出すようにしている。また、分娩をしたらその日のうちにお礼を兼ねた返事を出す。出したことが抜けるのを防ぐために、カルテの下の所に"○月○日返事済み"と記入することになっている。うっかり忘れていないかチェックするためだ。
 ところが、最近、紹介しても返事が来ないことが多い。ざっと計算してみると、3割くらいは全く返事が来ない。多分紹介した患者さんは、そこを受診しているはずだ。せめてそこを受診したという返事くらいは欲しい。そしてその後の経過やサマリーを送って欲しいのだ。
 今流行のSNSなどのように、メールを送ったら5分以内に返事を出さないとシカト(無視)されるので、常にスマホを手元に置いておかなくてはならないとまではいかなくとも、そういう風な気持ちを持つことが大切だ。
 紹介しても返事がない時は、相手の先生の人格が疑われることになる。多分ついうっかり忘れたということではなく、そういう習慣がないのだろう。
 モノを頂いたり、紹介状を受け取ったら、すぐに返事を出す。そういう繰り返しがその人の信用を高め、信頼されるということにつながるのではないだろうか。
 ぜひともモノを頂いたり、紹介状を受け取ったら、その日に返事を出して欲しい。(一部省略)

宮崎県 日州医事 第789号より

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