横倉義武会長は、4月27日の定例記者会見で、熊本地震への被災者健康支援連絡協議会及び日医の対応について公表した。
同会長は、26日に、地震発生後2回目となる「被災者健康支援連絡協議会」を開催したことを報告。今回より新たに、精神科診療所の全国組織である「日本精神神経科診療所協会」が構成団体に加わり、構成団体は20組織39団体となった。
会議では、現地での支援活動にあたり、行政と各団体、各団体同士の連携が円滑になってきた現状が、関係省庁並びに構成団体から報告されたが、その一方で、現地からの声として、避難所生活の長期化等に伴う避難者の衛生面・精神面に対する懸念や、大病院ばかりでなく中小病院への支援の必要性、病院施設だけでなく大学医学部や研究施設の被害状況の把握の必要性、支援者の宿泊施設の不足等の指摘もあったとした。
更に、こうしたことも踏まえ、各団体が現地に派遣する支援チーム等から被災地のニーズで対応できていない事項に関する情報を収集し、取りまとめた上で、国に要請していくとともに、各団体に、より細やかな支援を要請した他、メーリングリストにて情報共有していく意向を示した。
同会長は、被災者健康支援連絡協議会が、病院団体、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士など、さまざまな団体で構成されている強みを活かし、それぞれの専門の立場からのニーズの把握に期待を寄せるとともに、日医としては、都道府県医師会の協力を得ながら、普段からかかりつけ医として地域医療に従事している先生方や看護師たちの目線で、現地のニーズを把握していく考えを示した。
また、最近のJMATの活動報告では、避難所の衛生環境の改善や、精神疾患対策、エコノミークラス症候群対策などの他、介護やリハビリの必要性も指摘されているとした。
JMATは、27日10時現在で、活動中が72チーム、303人、準備中が104チーム、476人、活動終了が167チーム、635人となっている。
◆熊本地震に対する医師資格証の対応について
続いて、石川広己常任理事が、同連絡協議会において、関係省庁に対して、被災地で医師資格証が医師の身分証明書として使えること及び支援活動(薬の受渡し、被災地の通行、ガソリンの給油)に関して優先して実施してもらえるよう、通知発出の依頼をしたことを報告した。
また、被災地では空き巣などの犯罪が起きていることに言及し、医師の身分証明書となる医師資格証の利用を呼び掛けるとともに、JMAT派遣時に携行してもらうことを想定し、臨時措置として、簡易発行を実施することについて説明。支援活動を行う医師に対して、被災地に行く前に発行申請をするよう求めた。
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