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平成28年(2016年)10月5日(水) / 南から北から / 日医ニュース

はっ! と感動のはとバス体験

 私達夫婦は絵画鑑賞が好きで、興味がある美術展があると東京に出掛ける。せっかく名所・旧跡が多く歴史のある東京に行きながら、それらを訪ねるのは数えるほどしかなかった。そんなこともあり、人気だというはとバスを利用してみた。
 最初妻は乗り気ではなかった。提案した私も、いい歳をしてガイドさんの旗の後をついて歩くのには少し抵抗があった。しかしバスが発車してガイドさんの自己紹介が始まると、意外にも私も妻も修学旅行の小学生のようにわくわくしてきた。
 公共交通機関が発達している東京ではそれらを利用するのが便利であるが、いくつもの目的地を回るのが年齢と共に少しきつくなってきた。ツアーでは名所を効率よく、しかも楽に訪れることができる。簡潔でよくまとまったガイドさんの説明はそれらをより印象深いものにする。特別美味(おい)しいというものは期待できないが、待ち時間なく食事ができるのもいい。
 最後に訪れた東京スカイツリーには、日本一高い展望室からの夜景を楽しもうとする人達の長蛇の列があった。私達はその一般入場者を横目に見ながら、ツアー客専用エレベーターで比較的短時間で頂上に行くことができた。展望室に入って少し進むと、目に入ってきた光のじゅうたんに思わず感嘆の声を上げた。眼下に広がる無数の光の粒、それを縦横に区切る街灯と車のライトの強烈な帯、そして模型のように見える小さな東京タワーや遠くの超高層ビルを縁取る照明。東京の夜景は想像しているよりもずっと素晴らしかった。実は高いところが苦手で、朱鷺(とき)メッセの展望室でさえも足がすくんでしまう。そんな私でも、夜景であったためか無理なく楽しむことができた。
 座っているだけでいろいろな所に連れて行ってもらえるという気楽さと、予定どおりの時間にちゃんと出発地点に帰してもらえるという安心感は魅力である。ツアーを終える時には妻も大満足で、その後更に2つのツアーに参加した。今度は東京タワーを訪ねるツアーを探してみよう。できれば夜のコースで。

新潟県 新潟市医師会報 第535号より

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