富山県医師会では、平成26年度の「第69回富山県医学会」から開催形式の改善を図り、「医学会」の充実と活性化に取り組んでいる。
平成25年度までの「富山県医学会」は、県医師会医学研究助成金交付式と助成研究の結果報告及び外部からの講師を招いた特別講演という内容で開催されてきた。しかし、決して活発な活動とは言えず、参加者も数十名程度であった。
平成25年に馬瀬大助会長が就任され、この現状を何とかしたいという思いを表明されたのをきっかけに「富山県医学会」の活性化、充実に向けての取り組みを開始した。
まず、「医学会」活動が活発に行われている大阪府と広島県の「医学会」を視察することから始めた。
両府県の「医学会」を参考にして、単なる学術発表の場というだけではなく、会員はもちろん富山県医療関係者の交流・親睦の場として機能する「医学会」を目指すこととした。
実際の活動は、勤務医部会と学術・生涯教育委員会とが協同で立案・計画し、運営に当たった。
新たな「富山県医学会」の第1回目は、「平成26年度(第69回)富山県医学会」として、平成27年3月15日に富山県医師会館を会場に開催した。北陸新幹線が開業した翌日で、早春の好天にも恵まれ、大変印象深い一日であった。
内容は「オール富山地域医療・病診連携」と題した口演セッション、自由演題のポスターセッション、企業共催のランチョンセミナーと、従来から行ってきた県医師会医学研究助成金課題研究報告並びに助成金交付式といったものである。
演題数は口演セッションが9題、ポスターセッションが28題で、参加者数は179名であった。
発表者の職種は、医師、看護師、放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、管理栄養士、医学生など多岐にわたり、通常の学術集会では経験することのできないさまざまな分野の発表内容には非常に新鮮な面白さがあった。
演題発表を促すための賞を設け、ポスターセッションの演題の中から優秀演題9題を選んで表彰した。運営方法を模索しながらの第1回目としては、一応成功裏に終えることができたと感じられた。
「平成27年度(第70回)富山県医学会」は、平成28年3月13日に開催した。
前年度の第69回と同様の開催形式で企画し、口演セッションは「オール富山地域連携・病病連携・病診連携」をテーマとして演題募集を行ったところ、口演に19題、ポスターに46題(ポスターセッションは自由演題)もの応募があり、主催者側はプログラム作成にうれしい悲鳴を上げるほどであった。
発表者の職種は、前年度には参加がなかった薬剤師、社会福祉士、病院事務職にまで広がり、まさに富山県の医療関係者全体に「医学会」が認知されてきているという実感を得た。
参加者数も256名と前年度を大きく上回り、当初からの目的である"「富山県医学会」の活性化と充実"は徐々に成果を上げてきているように思う。
以上、「富山県医学会」の充実と活性化に向けた取り組みについて紹介したが、今後、更に改善・充実を図り、富山県の医療関係者の交流が大いに深まり、富山県の医学界の発展に寄与できる「医学会」となるよう継続していきたい。