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平成29年(2017年)6月5日(月) / 日医ニュース

横倉会長がWMA次期会長として出席

世界医師会次期会長として発言する横倉会長

世界医師会次期会長として発言する横倉会長

 世界医師会(WMA)リビングストン理事会が、ザンビアのリビングストンにおいて、4月20日から22日にかけて開催され、36医師会及び赤十字国際委員会等から約150名が参加した。
 日医からは、横倉義武会長(WMA次期会長)、松原謙二副会長(WMA理事)、道永麻里常任理事(WMA理事)、角田徹東京都医師会副会長(WMA理事)、畔柳達雄参与(WMA医の倫理委員会、社会医学委員会アドバイザー)の他、日本医師会Junior Doctors Networkから三島千明、岡本真希両医師が参加した。
 理事会への出席に併せ、18日にはザンビア駐在JICA専門家で医師の平山隆則氏(国立国際医療研究センター)の案内によりリビングストン中央病院の視察、19日にはJICAの青年海外協力隊員で検査技師の日髙かおり氏の案内によりマランバ保健センター・クリニックの視察をそれぞれ行った。
 理事会に先立ち、WMA役員会議、「持続可能な開発目標(SDGs)」作業部会(以下、WG)等が開催された。理事会の役員改選では、議長にアーディス・ホヴェン元アメリカ医師会長、副議長にフランク・モントゴメリー ドイツ医師会長、財務担当にアンドリュー・ディアデン イギリス医師会理事が、それぞれ再選された。
 20日の歓迎レセプションには、ザンビアのエドガー・ルンゲ大統領が保健大臣を帯同して出席し、「政府と医師会が協力して国民の健康を守っていきたい」とのメッセージを発した。

役員会議

 横倉会長がWMA次期会長として出席。昨年10月の台北総会後の活動として、11月の第2回"One Health"に関する国際会議の日本での開催、本年3月のインド医師会主催「大気汚染に関する国際会議」への出席、国境なき医師団との交流、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の日本支部代表支部長への就任別記事参照について報告を行った。

「持続可能な開発目標(SDGs)」作業部会

170605f2.jpg 道永常任理事が議長として出席。本WGは、日本、イギリス、ポルトガル、オランダ、ブラジル各国医師会で構成されている。SDGsへの取り組みに関して、勧告だけではなく、具体的な行動について文書に明記していくこと、SDGsの特集を『世界医師会雑誌』(World Medical Journal:WMJ)に掲載すること等の検討を行った。
 SDGsに関する声明案は、本WGでの今後の検討を経て、シカゴ総会に提出する予定である。

理事会での審議結果

170605f3.jpg(1)緊急決議として採択
 「サルダール・クーニー医師の支援に関するWMA理事会決議」
 トルコの人権財団シズレ代表でシルナク医師会元会長のクーニー氏が、クルド人武装集団のメンバーに医療を提供した容疑で拘束・監禁されている。WMAは、医師の安全と医療の提供を著しく脅かす行為を非難。患者に医療を提供した医師を罰することは、国際人道・人権原則及び医の倫理の重大な違反であるとし、各国医師会と国際医療界に対し、クーニー氏の即時釈放と人道・人権責務の尊重を提唱するよう求めている。
(2)医の倫理委員会関係
 新委員長にスウェーデン医師会のハイジ・ステンスミレン会長が選出された。
 主な議事として、ジュネーブ宣言改訂WGに日医が参加することになった。
(3)社会医学委員会関係
 委員長に、ブラジル医師会のミゲル・ジョルジュ氏が再選された。
 主な議事として、道永常任理事より「持続可能な開発目標(SDGs)」WGの報告が行われた。
(4)財務企画委員会関係
 新委員長に、オランダ医師会のレネ・ヘイマン氏が選出された。
①今後の会議日程:2017年10月11~14日シカゴ総会(米国)、2018年4月26~28日リガ理事会(ラトビア)、10月3~6日レイキャビク総会(アイスランド)、2019年4月サンティアゴ理事会(チリ)、10月イスタンブール総会(トルコ)
②WMA特別企画会議
 ・終末期医療に関する地域会議:2017年3月ラテンアメリカ会議(ブラジル)、9月13~15日CMAAO東京総会(アジア地域)、11月16~17日ヨーロッパ会議(バチカン)
 ・世界獣医師会―世界医師会"One Health"に関する国際会議:横倉会長から昨年11月に開催された第2回会議の報告が行われた。第3回会議はタイ、ペルー、ラトビア各医師会から招待を受けている。
③政策提言に係るアドバイザリーパネルに日医が参加することになった。
④ベリーズ医師会(中央アメリカ)から加盟申請があった。

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