閉じる

平成29年(2017年)12月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

TKC医業経営指標に基づく経営動態分析結果を概説

日医定例記者会見 11月29日

 中川俊男副会長は、「TKC医業経営指標に基づく経営動態分析―2016年4月~2017年3月期決算―」の分析結果について概説し、「本分析結果からも、医療機関の経営状況が厳しいことは明らかであり、診療報酬改定に向けた議論の中で重要なデータとして活用していきたい」と強調した。
 今回分析に用いられたTKC医業経営指標の特徴としては、(1)対象施設は民間の病院・診療所である、(2)診療所の客体数が多い、(3)月次監査を実施している医療機関を対象とし財務会計システムと直結したデータベースから集計されているため信頼性が高い―ことが挙げられる。
 また、対象医療機関数は、個人立及び医療法人立の病院の約14・2%(854施設)、診療所の約9・4%(有床診療所839施設、無床診療所7064施設)をカバーしている。
 同副会長は、「今回示した結果は、TKCから提供を受けたデータを基に日医で分析を行ったものである」と説明。
 その主な結果として、
①TKC医業経営指標から見る2016年度における民間医療機関の経常利益率は、病院(中小規模が中心)は低下、診療所は法人では低下し、個人では、ほぼ横ばいであった
②法人では、一般病院、診療所共に、給与費率の上昇が利益率を圧迫している。特に一般病院と有床診療所は、役員報酬を減らして対応しているが、それでも給与費率が上がり、利益率が低下している。従事者の確保や処遇の改善等に必要な収益が確保できていない状況である
③病院は、医業収益が横ばい程度の伸びにとどまり、法人の経常利益率は元々低くなっていたものが更に若干低くなっている
④有床診療所は、全体で、医業収益の伸びが0・3%のマイナス、保険診療収益の伸びが1・0%のマイナスであった。診療科別でも、軒並み減収となる中、従事者給与等が上昇し、法人の利益率は低下した
⑤無床診療所(院内処方・院外処方計)の経常利益率は、全体としては、ほぼ横ばいにとどまった
⑥無床診療所の院内処方は、医業収益の前年比がマイナスであり、各診療科とも経常利益率が低く、厳しい経営状況になっている
―ことなどを紹介した。
 なお、本分析結果の詳細については、日医ホームページ掲載の定例記者会見の資料を参照されたい。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる