One Health International Conference 2017が昨年12月14、15の両日、タイ医師会、サマサート大学医学部の共催により、18カ国、約200名の参加者を得て、タイのバンコクで行われた。
本国際会議は、人、動物、地球の健康を改善するために、医学、獣医学、公衆衛生学、社会科学、工学、農学、環境科学を含む"One Health"コミュニティのさまざまな分野から得た専門知識を統合し、研究成果を公表するとともに、若手医師、医学生への教育を目的としたものである。
横倉義武会長は、世界医師会(WMA)会長、日医会長として招待され、2日間のまとめとなる「"One Health"我々はどのように連携することができるか」をテーマとしたディスカッションに参加した後、閉会に際してあいさつを行った。
あいさつでは、"One Health"の取り組みの歴史を振り返り、2012年10月のWMAバンコク総会において、WMAと世界獣医師会(WVA)が、人と動物の共通感染症への対応、責任ある抗菌薬の使用、教育、臨床及び公衆衛生に係る協力体制を強化するため、連携し一体となって取り組むことで合意し、覚書を取り交わしたことを紹介した。
また、国内においても、日医と日本獣医師会、更には全国の地域医師会と地方獣医師会とで協定書を取り交わし、"One Health"のさまざまな課題に連携して取り組んでいるとした。
更に、2016年の11月に福岡県北九州市内で開催した「第2回WVA・WMA"One Health"に関する国際会議」で、"One Health"の概念を検証し認識する段階から、"One Health"の概念に基づき行動し、実践する段階に進むことを合意して採択された「福岡宣言」の内容を紹介した。
本国際会議はアジア大洋州地域の国を対象としており、第1回会議は2014年にスリランカにおいて開催されたが、次回3回目となる会議は2019年にフィリピンで行われる予定になっている。
会議に先立ち、横倉会長は在タイ日本国特命全権大使の佐渡島志郎氏を訪問し、今回の国際会議開催の意義、日医とタイ医師会の友好関係、WMA及びアジア大洋州医師会連合(CMAAO)の活動、本年12月の母子健康手帳国際会議の開催等について説明を行った。