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平成30年(2018年)2月20日(火) / 日医ニュース

勤務医をめぐる問題の最大の問題とは

勤務医のひろば

勤務医をめぐる問題の最大の問題とは

勤務医をめぐる問題の最大の問題とは

 勤務医をめぐる問題で、今最も注目されているのは「働き方」だろう。
 改善すべきところはさまざまあるが、最大の問題は、そういう働き方にならざるを得ない医療界の現状だ。根本的な問題は何かと言うと、医師不足だ。
 「医師数は足りている、偏在が問題なのだ」と聞く。偏在と言うからには、過剰なところがあるということだが、そんなところがあるのか? 残業して当たり前、土日どころか当直明けも休みなし。そんな働き方を前提に、医師数を考えていなかったか。
 9時~5時で働いて、ちゃんと休む。そういう健康で文化的な生活を、医療界が率先して追求したらいいじゃないか。人間として、まともな働き方をするためには、どういう制度で、どれくらいの医師数が必要かを考えるべきだ。
 診療報酬が上がらずに医師数だけ増えたら、経営が苦しくなる。給料が減る。そりゃそうだ。だから、パイを増やすことも同時に要求しなければならない。さもしいなんて思う必要はない。国民の健康のために身を粉にして働いているのだ。正当な報酬を要求するのが、労働者として当然の権利だ。そう、医師は労働者なのだ。
 財源? パナマ、パラダイス、あるところにはあるのだ。どうしてそうなる? オリンピック、豊洲、リニア、もり・かけ。そこかしこで動いているお金はきれいか?
 全ては社会保障のためにと言われながら、そうはなっていない消費税、消費税収と反比例するように減っている法人税収、増え続ける内部留保と増えない給料、税制は公正と言えるのか?
 貧富の差が拡大し続ける社会は健全か?
 問題を一つ解決しようとすれば、次から次へと問題が見えてくる。でも、解決策を考える以前に、問題を問題として捉えることができるかどうかが、最大の問題だと私は思う。

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