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平成30年(2018年)2月20日(火) / 日医ニュース

茨城県医師会勤務医部会の活動について

勤務医のページ

茨城県医師会勤務医部会の現況

 茨城県医師会勤務医部会は、勤務医相互の連携、研修、福祉の増進及び親睦を図るとともに、地域医療の充実及び学術研究を含めた医療環境の整備を図ることを目的とし、平成5年に関東地区の医師会では初めて、全国では25番目に設立された。
 現在、勤務医部会の会員数は1324名で、茨城県医師会員数(2714名)に占める割合は47・8%である。
 茨城県によれば、平成26年12月31日現在の茨城県内の医師数は5188名で、そのうち勤務医と考えられる医師数は3829名であり、茨城県医師会勤務医部会員は、その茨城県内の勤務医の約32%に相当すると考えている。
 初期臨床研修医の入会は現在61名で、筑波大学附属病院の医師が大半を占めている。今後、大学病院以外の臨床研修病院の初期臨床研修医の入会促進も図りたい。

茨城県医師会勤務医部会の主な事業について

 本部会の活動は、現在、活発な活動とはまだ言い難いが、主な事業としては、「勤務医部会学術奨励賞」の選考・表彰、講演会の開催、病院勤務医名簿の発刊、茨城県医療勤務環境改善支援センター事業等を行っている。
 勤務医部会学術奨励賞は、平成8年度より開始した事業で、茨城県内の医療機関に勤務する臨床研究、社会医学の研究で優れた業績を挙げた若手医師を選考、表彰している。
 大学病院のみならず、市中病院の医師なども含め、毎年6~10名程度の応募があり、そのうち2~3名を選考し、茨城医学会で表彰している。
 臨床研究を中心として活発な研究がなされている。
 茨城県医療勤務環境改善支援センター事業は、茨城県及び茨城労働局からの委託事業として受託し、「茨城県医療勤務環境改善支援センター」を平成27年7月21日に開設し、運用を開始している。
 医療勤務環境改善支援センター事業は、ご承知の通り、医療勤務環境の改善を通じ、医療従事者が健康で安心して働くことができる環境整備を行い、質の高い医療提供体制を構築するための事業である。
 運営に当たっては、
 (1)医療従事者の勤務環境改善を促進し、離職防止及び定着促進を図るとともに、県民への一層の安全・安心な医療の提供がなされるよう、各医療機関が行う勤務環境改善に向けた取り組みに対して、専門的・総合的な支援を行う
 (2)県内全ての医療機関を対象とし、①「勤務環境改善計画」の策定支援②「勤務環境改善計画」の策定状況及び事例の調査、支援ニーズの把握等③関連団体が実施する各種事業への支援を行う
 (3)女性医師の就業を支援し定着促進を図るため、相談窓口を設置し、保育に係る相談、復職のための技術研修病院の紹介、就職の相談等を行う
 (4)子育て中の医師の就業を促進するため、市町村ファミリーサポートセンター等との連携により医師の保育を支援する
 (5)茨城県医師会及び茨城県看護協会との共同事業として、医療従事者のWLB(ワークライフバランス)推進ワークショップの支援を行う
 (6)各アドバイザーによる積極的な支援を行う
 (7)勤務環境改善支援センター運営協議会において、センター運営に当たり必要となる諸事項について、協議・検討及び決定を行う
 という考え方に基づいて事業を行っている。
 本事業の特色は、医療勤務環境改善支援センター事業に女性医師就業支援事業も含み、勤務環境改善支援センターの専任コーディネーターと女性医師就業支援相談窓口の専任相談員を配置して運営している点である。
 女性医師就業支援相談窓口事業では、女性医師の就業の促進を目的に就労支援相談窓口を設置し、保育や復職のための相談等を行っており、特に、子育て中の医師の就業を促進するため、市町村ファミリーサポートセンターとの連携により、医師の保育を支援する取り組みを行っている。
 勤務環境改善支援センターのコーディネーターと女性医師就業支援相談窓口の相談員が一緒に医療機関の訪問を行い、女性医師の就労支援、勤務環境改善支援や労務管理のアドバイスを行っており、非常に有用ではないかと考えている。
 また、医療機関における医療従事者の離職防止のためWLB推進ワークショップの支援を、茨城看護協会との共同事業として新たに開始した。医療人材の不足している茨城県では、他団体との共同事業も重要と考えている。
 茨城県医師会勤務医部会が設立されてから四半世紀が経過した。設立総会時に、当時の村瀬敏郎日医会長から、「勤務医の利益と開業医の利益は対立するものではなく、両者は地域医療の協同の担い手として役割が期待される。今日の諸問題解決のためには、効率的な医療供給体制が構築されなければならず、そのために緊密な関係と連携の方策を打ち立てなければならない。勤務医部会の方々が、大いに発言されることを切望する」という内容の祝辞を頂いている。まさに今がその時と痛感している。

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