台湾医師会介護保険視察団介護保険説明会が2月1日、日医会館大講堂で行われた。
今回の視察団は、台湾の立法院の議員も含め総勢41名からなり、日本の介護保険制度の仕組みを学ぶとともに、長野県医師会の協力の下で佐久総合病院本院の他、老人保健施設、介護老人保健施設を視察することを主な目的として来日したものである。
説明会は道永麻里常任理事の司会で開会。冒頭あいさつした横倉義武会長は、台湾医師会の日頃の協力に感謝の意を示した上で、「今回の訪問が実り多きものとなることを切に願っている」と述べた。
邱泰源台湾医師会長は、「日本医師会の皆さんの努力により、両医師会の良好な関係が今日まで続き、今回の訪問も実現することができた。これからもこの関係を継続していきたいと考えているので、引き続きよろしくお願いしたい」とした。
続いて、石井義恭厚生労働省老健局総務課課長補佐が「介護保険制度と地域包括ケア」と題して講演。75歳以上の高齢者の増加に伴い、認知症の高齢者も増加していることなど、日本の高齢化の現状について説明するとともに、「財源ばかりでなく、働き手も減っていく中で、住み慣れた地域で可能な限り長く暮らしてもらうためにも、医療と介護がしっかりと連携していくことがこれからは重要になる」と指摘した。
また、現在進められている医療介護連携推進事業、介護予防活動普及展開事業なども紹介し、事業を推進していくためのポイントとして、①多職種による連携②地域住民も加わり、地域と連携を取っていくこと③予防に医療が関わっていくこと―を挙げた。
その後の質疑応答では、自立支援に関する質問に対して、鈴木邦彦常任理事が、「日本の介護保険は、要介護度が軽い人にも手厚い介護サービスを提供する形で始まったために、財政的に厳しいものになっている。介護保険をつくるのであれば、軽い人には自立支援で対応できるような仕組みをつくることが必要なのではないか」との考えを示した。